一所不住



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理知なくば真と信とは形骸し

こんな風に「ことば」が意味を成さなくなるなんて、「考える葦」としての人間を放棄するに等しい。よもやこんな時代がやってくるとは、これほど人間が劣化していくものだとは思いもよらなかった。

具体的な裏付けのある事実よりも、感情に訴える都合の良い嘘の方が幅を利かすようになった。「正義」を声高に主張して、誰かを攻撃することに喜びを見出す浅ましさ。その品性の卑しさに気が付かないのか。
想像力のなさと頭の悪さをさらけ出し、傲慢で恥を知らぬ嘆かわしさよ。

「真摯」「丁寧」「愚直」「謙虚」など本来控え目な言葉が、実際の意味とは逆の意味で繰り返し使われる。言葉に対する侮辱以外の何物でもない。
わたしたち「一茎の葦」が考えることによって「人」となり、その思考を表現する手段として獲得した「言葉」を貶める行為は、「人」の尊厳を傷つける罪深きことである。

いささか理屈っぽくなってきたのは、年末にあたり今年一年を振り返ってみて、表題を十七文字にまとめてみようと、細くて折れかかった葦がちょっと考えたせい。
知性なき社会を反映して、出鱈目や欺瞞がメディアを席巻するようになった。それに疑問を抱くことなく受け入れる土壌が世間に出来上がってしまった。怖ろしいことだ。

田舎で巷の情報からも意識して距離を置く、その日暮らしの禿頭爺は、まだなんとか生き永らえている。恒例の?読書で振り返る一年。
1月から4月は、本棚から再読本を中心に(本屋がない、もしくは本を買う金がない)。この欄へ記した通り。ほかに、金子ふみ子『何が私をかうさせたか』は今再び読まれて然るべき本なり。澁澤龍彦『快楽主義の哲学』。堀江敏幸『音の糸』など。

5月は、芹澤光治良、米澤穂信、佐野洋子、中島たい子、森沢明夫、伊坂光太郎ほか。 6月は、荻原浩、森絵都、宮下奈都、絲山秋子、原田マハ、アリス・フェルネ、津村記久子、芦原伸ほか。 7月は、絲山秋子、大崎梢、姫野カオルコ、須賀敦子、村松友視、内田洋子ほか、連れ合いが図書館から借りてきた本を。

8月、9月は、レイチェル・カーソン『沈黙の春』。ソーロー『森の生活』など、本棚へ戻って。 10月、11月は、熊谷達也『希望の海ー仙河海叙景』『山背郷』『烈風のレクイエム』を続けて読んだ。ほか読んだ中では、栂嶺レイ『誰も知らない熊野の遺産』、佐藤正午『月の満ち欠け』などが印象に残った。

そして12月は図書館本、坂井希久子『ウィメンズマラソン』。佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』。梨木香歩 師岡カリーマ・エルサムニー『私たちの星で』。松本侑子『みすゞと雅輔』。天童荒太『ムーンナイト・ダイバー』。ほかに中島京子や北村薫なども。
本の中には、まだ信頼できる言葉が生きている。

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by rurou-no | 2017-12-28 11:24

なんとなす土俵の外で相撲取り

サッカー東アジア選手権決勝、15日女子は北朝鮮に0対2で、16日男子は韓国に1対4で惨敗した。男女とも相手に圧倒されて、見るべきところが少なかった。

昨日(20日)大相撲の横綱審議委員会と理事会が開かれ、日馬富士の貴ノ岩に対する暴行問題について調査報告と処分が発表された。
日馬富士は引退勧告、白鵬と鶴竜は減給、八角理事長は報酬返上、伊勢ケ浜親方は理事を辞任、貴乃花親方は本人の聴取が出来ていないので処分保留。

心配していた貴ノ岩は、新聞記事では入院中で快方に向かっているとしかわからない。
問題の発端は当初の予想通り、白鵬から始まっていたことが明らかになった。現場で日馬富士を止めることができたのも序列最上位の白鵬しかいなかった。つまり、白鵬の意のままでの暴行だった。白鵬が指示したと言い換えてもいい。

理事会の処分は白鵬に甘過ぎる。相撲協会の看板横綱だからと増長を許していたツケが角界の体質と相まって、今回の問題があったのではないか。
横審も、品格に欠ける行動を繰り返した横綱の振舞いを野放しにしていた。
理事長も指導力、統率力を発揮できず、腰が引けた体たらくだった。

模範となるべき横綱であるにもかかわらず、白鵬の土俵上の所作や相撲内容が酷くて見ていられないのだ。
礼をしない時があるし、塵手水は形を崩している。清めの力水も柄杓を片手で受け取ったりする行儀の悪さである。横綱土俵入は(何をしてもいいのだという意見を受け入れたとしても)美しくないので目を背けてしまう。

いくら最強といわれようが、立ち合いの張り手や顔面を狙った肘打ち(決して相撲技の「かち上げ」ではない)は見苦しい。勝負がついてからのダメ押しに至っては危険な行為である。ダメ押しは勿論、張り手と肘打ちは禁じ手にして負けを付けるべし。
相手が横綱に対してそうしたことができないのをわかったうえでやっているから、悪質なのだ。

相撲は単なる格闘技の勝負ではなく、(神事的な要素も含めて)締め込みに髷という前近代的な型を継承し、礼儀を重んじて勝者が敗者を敬うという精神を徹底して踏襲する、ある種の神聖さも残されているから面白いのである。
相撲協会も、これを機会にすべて洗い直して、再出発の覚悟を示してもらいたい。

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by rurou-no | 2017-12-21 11:03

浮き草のように六十余年かな

お題が「う」だったので、まず表題が頭に浮かんだ。指折り数えるとちょうど十七文字に収まった。今日はこれにておしまい、というわけにはいかない。

昨日(13日)、沖縄の米軍普天間飛行場に隣接する小学校の校庭に、米軍ヘリコプターの窓が枠ごと落ちてきたそうだ。子どもたちは体育の授業中だったという。
先週7日に保育園の屋根に落下物があったばかりで、米軍は何事もなかったかのように飛行訓練を繰り返している最中の事故である。

今回の事故はCH53E型ヘリで、今年10月東村高江の私有地に墜落炎上事故を起こしたのと同型ヘリである。この事故原因も明らかにしないまま飛行を再開していた。
こんな危険な状態を野放しにしている、日本政府の弱腰はどういうことだ。
基地周辺住民の生命に関わることなのに、米軍の言いなりなんて情けない。

これほど国民のことを考えない政府がかつていただろうか、そんなにトランプの靴が甘い味なのか、ポチもたいがいにしろ。
政府は今年度補正予算案の軍事費に1900億円も計上したのだと。全てアメリカから買うミサイルなどの兵器で、それぞれの値段は向こうの言い値である。セールスマントランプの口車に乗って、米の軍事産業に貢献するのだ。何をか言わんや、とはこのことだ。

10日、ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーのオスロであり、NGO核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に贈られた。
国連の「核兵器禁止条約」に、被爆国日本は反対している。本来なら先頭に立って条約締結を求めなければならない立場なのに、だ。

ここではっきり言う、「核の傘」に守られているというのは間違いである。ありもしない幻想を刷り込まれているに過ぎない。原発の「安全神話」と同レベルの「神話」のようなものだ。そして、原発は何度も事故を起こしているし、「核の傘」なんてどれだけ大きく広げたところで、もともと何の実体もないことに気づくべし。

人と人はお互いの違いを認め合い考えを巡らせば、問題があっても解決方法は見い出せるものだ。そもそも人同士は最初から敵対しているわけでなく、権力者の支配欲によって敵対勢力の存在を植え付けられていく。悲しいかな思考までも操作されているのだ。
冷静に自分の頭で考え判断せよと声を大にしたい。

表題は極めて個人的な十七文字だったが、ボヤキのジジイも禿頭爺の一面だということで、しばらく抑えていた禿頭の沸騰で暖をとろう。それにしても寒い日が続く。

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by rurou-no | 2017-12-14 10:28

是非もなく凍る列島ぼける脳

昨日は二十四節気の「大雪」。このところ列島全体が強烈な寒気に包まれて、12月初旬だというのに本格的な冬が到来したようだ。例年より早く雪が降り出した地方もあれば、この時季は雪のない地方でも降雪の観測が伝えられている。北海道の最低気温はマイナス20度前後を推移してるって、どんだけ寒いんやろ。

厚着をし背を丸め身を固くして、二言目には「ひやくい、ひやくい」と呪文のように唱える冷え症の禿頭爺は、人間を長くやっている割にいつまでたっても寒さは慣れないままだ。かと言って暖房器具を多用するには、エネルギーの無駄遣いは慎むべしと抵抗があり、というよりも貧乏性が抜けきれないだけやないか。若い頃の伊達の薄着と年中素足に下駄、の反動がきているのかもしれない。勝手に震えていろ。

もっとも「常春の地」で寒いなんて、ほんとに寒い所の人に申し訳ないと恐縮する。
体感の暑さ寒さは個人差があるだけに、勘弁してもらおう。
今日は冷たい雨が降っているが、こんな日でも元気な爺さん婆さんらは、グランドゴルフだかゲートボールだかの大会を開いて雨の中でプレーをしていた。
畏るべし団塊世代や。

2日、サッカーJリーグ最終節は鹿嶋と磐田が引き分けたため、大宮に勝った川崎と鹿島が勝ち点72で並び、得失点差で川崎が逆転優勝するという劇的な結果となった。
翌3日J2、プレーオフ決勝戦で名古屋と福岡が引き分けて、湘南、長崎とともに名古屋が来シーズンJ1昇格となった。
今シーズン不調の広島は、降格圏ギリギリセーフの15位に終わった。

7日、沖縄の米軍普天間飛行場近くにある保育園の屋根に、米軍機からの落下物があったという。これまでも同じような落下物事故が度々あったそうだが、由々しき問題である。園児たちに怪我がなかったものの、「人の命と基地のどっちが大事か」と、園長の怒りはもっともだ。

米のトランプがまたやらかした。今度はエルサレムをイスラエルの首都と公式に認める宣言を出した。せっかく長い時間をかけて、和平への道を少しずつ進めてきた努力を、無にする、あまりにも愚かな決定である。

日本政府から差別的いじめにあっている沖縄と、アメリカとイスラエルから酷い仕打ちを受けるパレスチナ、それぞれ状況は違っても理不尽という意味で重なってみえる。
日米似た者同士、視野の狭さと考えの浅い男に権力を持たせた結果がこれだ。

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by rurou-no | 2017-12-08 15:11


一瞬を、永遠に
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