見てはいないが、何かと話題のドラマ『真田丸』で、徳川家康がちょっと情けない描かれ方をしているそうだ。歴史マニアの脚本家による人物設定は、さもありなんと思わせる。
たとえ親兄弟であっても、対抗する勢力のどちら側につくかで敵同士となり殺し合わねばならない戦国時代に、戦から逃げ回って最後まで生き残った家康が天下を掌握した。
卑怯者、弱虫と非難されようとも、愚かで無意味な争いは避けた方が賢明というもの。
戦いがもたらすのは殺戮や破壊で、後には何も残らない。まったく無益の極みである。
この「逃げるが勝ち」を悪用したのが、昨年の安保法案審議における政府の態度だった。
争いを避けるための方策が、戦争をするために利用されてしまった。
まともに議論しようとせず逃げやごまかしに終始し、挙句の果ては議会の存在を否定する強行採決だ。民主主義は貶められた。もちろん「丁寧な説明」なんてあろうはずがない。
政府のバカどもは何も考えてないし、知ろうともしていないから、議論する言葉も持たない。このことが15日の衆院予算委員会でバレてしまった。無知丸出しは怖ろしいけど笑える。
民主党の山尾志桜里議員が、政権のメディア規制における「政治的公平」について質した。
彼女のフェイスブックに一部書き起こしているのを読んだが、首相の答弁がしどろもどろで、役人からレクチャーを受けた言葉の意味すら解しないまま喋っている。
「表現の自由」ついてのやりとりで、答弁の内容は何をもたらすのか、と問われ、「クイズのように聞くのは意味がない」と反論して思考停止状態を曝した。なんとかごまかそうと喋れば喋るほど中身が空っぽであることを強調するだけ。
とうとう「・・・総理は、知らないんですね」と、あきれられていた。
読みながら笑ってしまったが、こんなんが国の権力を握っているかと思うと背筋が寒くなる。
こやつは本当に何も知らないで、思い込みだけで物事を進めようとしているから危険なのだ。
それにしても、支離滅裂な首相や意図的に審議妨害した総務大臣は懲罰対象やないのか?
選挙民もせめて知性ある者を、自分たちの代表として選ばなあかん。恥ずかしいと思わな。
ところでメディアの萎縮はどういうこっちゃ。今こそ、徹底的に政府と対峙すべき時やないのかい。あまり右に寄りかかりすぎると、「政治的公平」が問われて電波停止やで。