一所不住



2018年 08月 30日 ( 1 )


存分にもてなし送る盂蘭盆会

こんな8月になろうとは、思ってもみなかった。この1ヶ月は、度を超えた暑さの中、その暑さをも忘れるくらい、慌ただしい日々を過ごした。
1月に弟が亡くなり、その初盆を仕切る立場となって、慣れないことに追い立てられながら、田舎の仕来りに従って宗教行事の渦へ飛び込んで危うく溺れかかった。

元来、信仰心が少ない罰当たりゆえ、どこか醒めていながらも田舎の風習は大事にしなければ、と決まり事を一つ一つ粛々とこなしていく。菩提寺は臨済宗だから何事も丁寧で、仕事が多い。

1日、初盆の遺族が集まって行事の打ち合わせ。8日、盆踊りの櫓を組み立て。10日、盆棚の組み立て。11日、迎え施餓鬼。14日、棚経。15日、盆踊りの準備と大門大施餓鬼。盆踊り。16日、送り施餓鬼。など、日程を確認。

盆棚は、四段になった棚を組み立て、竹で結界を作り、正面の奥は吊り菓子とほうずきで飾る。竹で5段の梯子を棚へ掛ける。棚の一段目は苫草(真菰?)で編んだ敷物の上に茄子、胡瓜、南瓜、西瓜、トマト、ピーマン、シシトウなどの野菜など。供花も。二段目は林檎、梨の果物とはくせんこう。三段目は菓子と素麺。それぞれ供物台や高月に半紙を敷いて。四段目に遺影と戒名を書いた札。棚の足元には、もろぶたを置いてリンを用意。棚の前に提灯を吊るす。以上、仏様を迎える飾り。

11日から15日までは、地域のほぼすべての家から初盆の御参りがあり、初盆の家族は盆棚のそばで座して迎え、御参りの御礼をする。

14日には、これらの飾りを総入れ替え。一段目の野菜には芋が追加された。それにメロンも。そして仏膳椀が登場。ご飯に一汁三菜。二段目の果物に蜜柑を追加。コップに入った水に花びらを一片。三段目には小さな燈籠提灯を対で。もろぶたには香炉と線香も。これで棚経をいただく。

15日、一段目は前日と同じ野菜、果物に葡萄が加わった。仏膳椀に一汁三菜。二段目も果物に桃が仲間入り。この辺りで「しんこ」と呼んでいる団子を三角錐に積み上げたのが高月に乗って出た。牡丹餅も供える。
昼になると仏膳椀の一汁三菜を下げて、素麺とつゆになった。

16日は仏膳椀に一汁三菜。昼を過ぎたら供物を下げて、精霊様の準備。
精霊流しは精霊舟に提灯を吊り、戒名の札と線香を供え、米と水を一人ひとりが供えて送る。昔はそのまま海へ流し、隣県まで流れ着いた例もあったというが、今は形だけ海に浮かべて、その場で焼却する。地域共同体の皆が浜へ集り、送るやり方は変わらない。

ご先祖様と新仏が帰ってきている間は、三度の食事を共にする意味で、食事のたびに仏膳の上げ下げをすることになる。そこで生活していればなんでもないことだけど、通いの者にとってこれがやっかいだった。実家の台所はプロパンガスも引き上げて食事の用意をすることが難しい。事情を知る親戚のおばさんたちが交代で一汁三菜を用意して助けてくれた。おかげで、なんとかやりくりできた。
もっとも仏膳に限らず盆棚の飾りから細々としたもてなしの手順まで、このおばさんたちがいなければ何も出来なかった。感謝あるのみである。

思い出すに、子どものころは先祖との距離が近く、ふだんの食事も、先に仏壇に上げてから食べていた。そんな時代もあったのに、すっかり忘れてしまっている。
もうひとつ、月遅れの「ぼん」とは別に、旧暦7月15日に「うらぼん」もある。
今年は台風20号による影響で、実家の漏電ブレーカーが壊れる停電騒ぎがあって、それどころではなかった。昨日、やっと新しい漏電ブレーカーが設置された。

目まぐるしい盆行事が済んで、ほっと一息つく間もなく連れ合いの叔母に不孝があった。
体力の消耗と気持ちの落ち込みが重なって、回復できないまま8月が終わろうとしている。

8日、翁長雄志沖縄県知事が急逝した。67歳だった。
16日、アレサ・フランクリンが亡くなった。76歳。
続いて25日、リンゼイ・ケンプ 80歳。26日、ニール・サイモン 91歳。

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by rurou-no | 2018-08-30 11:33


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