一所不住



2006年 11月 25日 ( 1 )


トニー谷

今から50年くらい前、芸能界の寵児として人気の絶頂期にあったボードビリアン。
傲慢な性格ゆえに芸人仲間からも嫌われていたという。その人の名は、トニー谷

「レディース・エン・ジェントルメン・あんど・おとっつぁん・おっかさん」「おこんばんわ」で始まる彼の喋りが好きだった。怪しげな英語(トニィグリッシュ)を駆使して、聴衆を煙に巻く。ザンス言葉とそろばんパーカッション、特異な形の眼鏡に髭の姿。

戦時中は、南京・上海を転戦し、上海で現地除隊したと伝えられている。
その後、シンガポール・マニラなどでバンドマンや通訳をしていたらしい。
帰国してからは、進駐軍を相手に芸を磨いたのだろうその西洋風スタイルのMCは、斬新でセンスがあった。

実の父を知らずに生まれ、養父による虐待から逃れるようにして家を出たあとは、身一つで成り上がった。人を信用せず、友だちも少なかったらしい。

誰にも真似の出来ぬあのキャラクターを作り出すまでは、相当な艱難辛苦があったと想像する。どこまでも明るい喋り芸は、芸人としての執念を思わせる凄まじさが滲み出ていた。

一世を風靡した人気者にも拘わらず、その死は誰にも知られることなく、身内だけで静かに送られたそうだ。
[PR]
by rurou-no | 2006-11-25 14:12 |


一瞬を、永遠に
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
以前の記事
カテゴリ
メモ帳
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧