一所不住



ケネス・アンガー

1930年カリフォルニア州サンタ・モニカ生まれの ケネス・アンガー は、子どもの頃から
映画に出演していたそうだ。それが後に 『ハリウッド・バビロン』 を著すことになる。
その彼が作った映画はハリウッドとは対極にある、極めて個人的なものであった。

アメリカ・アンダーグランド映画の帝王として君臨するケネス・アンガーの作品は、約30年前
京都にある《アングラの殿堂》京大西部講堂での自主上映会で見る機会を得た。
ホモセクシャル、それもハード・ゲイという性的志向をもつアンガー、神秘主義に傾倒していた
アンガーの作品は、例外なくそうしたものに裏打ちされていた。

すべてのゲイ映画の出発点となった 『花火』(1947)は、少年が憧れを抱いてた筋骨隆々の
水兵にリンチされ、血だらけになりながら股間から打ち上がる花火を夢想する。
『人造の水』(53)は、延々と流れ続ける水のイメージが鮮烈だった。

魔女たちの宴〈サバト〉の前夜祭を思わせる 『快楽殿の創造』(54)は、神々のパーティーが
サイケデリックな映像とともに繰り広げられる。秘密の儀式を覗き見る感覚に目眩を覚えた。
『スコルピオ・ライジング』(63)は、冒頭からハード・ゲイの世界が展開する。革ジャンに金鋲
で打ち込まれた[SCORPIO RISINNG] の文字。オートバイのメカニックと暴走族。

他に 『K.K.K』(65)  『我が悪魔の兄弟の呪文』(69)  『ルシファー・ライジング』(80)
ジャン・コクトーをして 「シュールレアリスムを受け継ぐ」 と絶賛された、アンガーの作品群は
確かにコクトーの影響を無視できない。パリに滞在していた20代の頃にはジャン・ジュネとの
出会いもあり、触発されることが多かったであろう。

ハード・ゲイ、ドラッグ、悪魔と神秘主義、等々 ケネス・アンガーは、好奇心のかたまりだった
当時の私には強過ぎるほどの刺激を、映像によって示してくれた。
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by rurou-no | 2007-07-13 10:36 | 映画
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