一所不住



街の灯

映画がトーキーの時代になってからも、サイレント映画を撮り続けていた チャップリン
初めて自ら作曲した音楽を背景に流したのが、『街の灯』(1931年)。

この作品は無声映画だったからこそ、ラストシーンの字幕 「あなたでしたの?」 が活きて涙
を誘うのである。盲目の花売り娘を浮浪者が助けるという平凡なストーリーにも拘らず、最後
の字幕とそのあとアップで映るチャップリンの表情が、名作として語り継がれる映画にした。

チャップリンの映画は、1970年代初めのころ立て続けに公開されたのを全て見た。
初期の作品で、ピチピチの上着にダブダブのズボン、大きめの靴を履き、山高帽にステッキ
ちょび髭をはやした浮浪者スタイルが確立したといわれる 『犬の生活』(1918)。 塹壕の
中の兵士の悲惨さを笑いに変えて、戦争を戯画化した傑作 『担え銃』(1918)。 『キッド』
(1921)では笑いの中に少し泣かせる要素を入れた、チャップリン映画の特徴が定まった。

ロールパンのダンスや腹を空かせて靴を食べるシーンが忘れられない 『黄金狂時代』(25)。
綱渡りでハラハラさせた 『サーカス』(28)。人間が機械の一部分として働かされる資本主義
を皮肉った 『モダンタイムス』(36)では、毎日ネジ回しの作業に明け暮れて発狂してしまい、
とうとう巨大な歯車に身体ごと巻き込まれるシーンがある。

『独裁者』(40)は、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのヒトラーとナチス・ドイツを徹底的に笑いのめ
した。アメリカですら反共の砦として、ヒトラーを歓迎していたころである。この映画はトーキー
として撮り、最後に大演説が用意されている。

「1人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む。数が神聖化する。」 という有名な
台詞を残した 『殺人狂時代』(47)。キートン との共演で知られる 『ライムライト』(52)。
忘れ得ぬ作品の数々、どれも名作揃いであった。チャップリン偉大なり。
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by rurou-no | 2007-07-04 14:28 | 映画
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一瞬を、永遠に
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