不朽の名作
「道」(1954年) を世に送り出した 《映像の魔術師》
フェデリコ・フェリーニ (1920~1993)は、大好きな映画監督の1人だ。そして「道」は私の生涯ベスト10入りする。
この映画で主演したのが彼の夫人
ジュリエッタ・マシーナ。フェリーニと生涯連れ添った。
ニノ・ロータ 奏でる
「ジェルソミーナ」 は映画史上に燦然と輝く名曲である。
ロベルト・ロッセリーニ 監督の
「無防備都市」 や
「戦火のかなた」 への脚本参加から映画人生が始まったため、イタリア・ネオリアリズモの系統に位置するとされているが、寧ろスタジオ・セットの撮影を好んでいたようだ。まぁそんなことはどっちでもいい。
フェリーニの作品は必見だった。年代順に書き出してみると、55
「崖」 57
「カリビアの夜」 59
「甘い生活」 62
「ボッカチオ’70」 62
「誘惑」 63
「81/2」 65
「魂のジュリエッタ」 69
「サテリコン」 70
「フェリーニの道化師」 72
「フェリーニのローマ」 74
「アマルコルド」 76
「カサノバ」 79
「オーケストラ・リハーサル」 85
「ジンジャーとフレッド」 など。
あぁ、やっぱり〈フェリーニ〉や!と、どの映画を見たあとでも充足感で満たされた。
そのイマジネーションに溢れる映像の世界は、どの映画のどのシーンをみてもちゃんと画面が〈フェリーニ〉になっていた。実際に絵を描くのも巧かったからか、絵作りが見事であった。彼の偉大さは私の駄文では説明しきれない。とにかく見てもらうしかないと思う。
フェリーニの映画には、しばしば巨乳巨尻の女の人が登場する。これは子どものころ太った女の人にペニスを吸われたことによるコンプレックスと説明されているが、与太話としては面白いかも知れない。やっぱりフェリーニは解説するものでなく感じるものではないか。彼自身「映画は理論からは生まれない、映画は愛から生まれる。」と言っているのだから。