「ビート・ジェネレーション」 「ビートニク」 「ビート詩人」 「ビート」っていったい何なんや?
アレン・ギンズバーグ(1926~1997)は、それは「至福」を意味すると言っていたそうだ。
ジャック・ケルアック(『路上』) ウィリアム・バロウズ(『裸のランチ』) らとともに、60年代のアメリカに新しいムーブメント、「ビート派文学」を興した。
既存の価値観や規制、自らを縛りつける全てのものからの解放を謳った。ベトナム戦争に反対した。ゲイであることを公言し同性愛者への偏見と闘った。そしてインドを放浪した。公然とマリファナをやり、ヒップスター=ヒッピーがこうして世界中に広がって行くことになる。
1955年に発表された
『Howl(吠える)』 は、一つの時代の始まりとなった。
33年後1988年、京大西部講堂で〔アレン・ギンズバーグ ポエトリー・リーディング「吠える」〕が開催された。その反響と熱気は想像をはるかに超えるもので、私たちスタッフは嬉しい悲鳴をあげて忙しく動き回った。参加者が客席に入りきれず舞台上にまで座ってもらったが、それでも収まらないで会場の外に溢れて、周辺一帯が異様な興奮状態に包まれていた。
大量生産大量消費、薄っぺらで奥行きのないアメリカ文化は、とても好きになれるものではないが、現代美術やダンスに興味深いものが少なくなかった。 アレン・ギンズバーグは彼の詩を読む前から、「ビート」や「ヒッピー」という言葉がイメージとして先に入ってきている。
そしていつの間にやら、ヒッピーを生きている自分がいた。
アレン・ギンズバーグは、挑発的なまでの直截な表現で詩を書き、朗読する。その姿は恰も現代社会に跋扈する欺瞞を告発し続ける闘士であった。「反抗する魂」としての彼の精神は時代を経て、我が国にはファッションだけが辛うじて残っているのが現実だ。
ビート派の音楽は、ジャズからロック、そしてラップへと変遷してきている。