一所不住



メトロポリス

「カリガリ博士」 のところでも触れたが、多くの芸術家たちが新しいメディアである「映画」で
その野心とともに実験的な試みを繰り返し、数々の素晴らしい作品が生まれた1920年代。

ワイマール共和国のドイツにおいて、フリッツ・ラング の手によって20世紀を代表する傑作
映画が誕生した。21世紀を迎えた今日まで、その映画を模倣した作品は数多あれどそれを
凌ぐものは未だに出てきていない。その映画とは 「メトロポリス」(1926年)。

 100年後(つまり2026年)の未来都市が舞台である。高度な科学文明が発達し、超高層
 ビルが建ち並ぶ都市メトロポリスでは少数の資本家・支配者階級が全てを牛耳り、地上に
 楽園を築いている。労働者階級は地下へと追いやられ、機械の一部のような扱いで過酷な
 労働を強いられていた。そこは徹底した管理社会である。

 地上と地下の間には全体をコントロールする機械室の層があり、両者が交わることはない。
 ヒロインのマリアは労働者たちに階級社会の矛盾を説き、ストライキを煽動する。
 危機を感じた支配者はマリアを捕らえ、科学者に彼女そっくりなロボット(人造人間)を作ら
 せた。そのロボットを地下へ派遣し、労働者たちを意のままに操ろうと謀るが・・・・・。


2026年といえば今から20年後の世界。フリッツ・ラングは、ほぼ完璧に現代社会を予言して
いた。階級の二極化、管理社会、コンピューターに支配される人間、ロボットの出現、等々。
摩天楼の高層ビル群は、建築デザインの観点から見ても見事な美しさであった。

「ブレードランナー」 の《未来都市》、「スター・ウォーズ」 の《ロボット》も 「メトロポリス」 が
お手本となった。1902年 ジョルジュ・メリエス 「月世界旅行」 で初めてSF映画が作られて
「メトロポリス」 で頂点に達した。科学の力は月への旅行を可能にし未来都市も現実となった。
そして悪い方の予言もその通りになってきている。人類の行く末や如何に? 
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by rurou-no | 2007-05-26 13:42 | 映画
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