1970年(昭和45年) NHK大河ドラマ
「樅の木は残った」
原作
山本周五郎 脚本
茂木草介 主演
平幹二郎
《伊達騒動》における原田甲斐の暗躍を、極悪人から忠臣へと読み替えた 山本周五郎の
小説を元にドラマ化した。
大河ドラマは、この前年の上杉謙信を描いた
「天と地と」 から2年続けて見たが、その後は
見ることなく今日に至っている。かれこれ40年以上になる日曜夜の定番、その変わらなさが
すごい。もっとも、ずっと見ていないからその内容は知る由もないが。
「も」で、ふと「樅の木は残った」を思い出したのは、
「赤ひげ診療譚」 を読んだばかりだった
から。「赤ひげ」という言葉だけで、その意味することは誰もが知るほどになっている。
「赤ひげ診療譚」は、1964年(昭和39年)に
黒澤明監督で映画化されている。
山本周五郎作品は骨格がしっかりしているから、映画やテレビ、舞台化されることが多い。
黒澤明は他に、
「椿三十郎」(「日日平安」) 「どですかでん」(「季節のない街」)を撮った。
川島雄三 「青べか物語」 野村芳太郎 「五瓣の椿」 なども見た。
テレビや舞台になったのは、数え上げたらキリが無い。
山本周五郎は、深い洞察力に裏打ちされた人物描写に秀でている。それほど見かけることは
ないがいかにもいそうだ、と思わせるリアリティをもった人が生き生きと書かれている。
大衆的な作家ではあるが、その大衆に媚びていない姿勢がいいのだ。