一所不住



神々の深き欲望

「神々の深き欲望」 は、今村昌平監督 1968年作品。
今村昌平は、人間の欲望を汗臭く、ユーモラスに、そして社会的メッセージを込めて
映像化した。その独特の皮膚感覚が、映画館へ足を運ばせる引力となった。

彼の作品では、この映画以前の 「豚と軍艦」 「にっぽん昆虫記」 「赤い殺意」
「エロ事師たちより 人類学入門」 「にあんちゃん」 など60年代に撮ったのがいい。
もちろん以後の、「復讐するは我にあり」「楢山節考」 でも実力をみせている。

さて 「神々の深き欲望」 であるが、この映画を見たのは東京へ出てすぐのころ まだ10代
だった。映画は東映の時代劇のような娯楽ものしか知らなかったから、衝撃を受けた。

出演は 三国蓮太郎 河原崎長一郎 沖山秀子 松井康子 北村和夫 小松方正 ら。
沖縄の架空の島が舞台になっていた。

神話の世界、土着する島人、古くから続く因習、ノロ(巫女)、近親相姦、エロス、近代化、と
キーワードになる言葉が次々と浮かんでくる。
南の島の強烈な光が、スクリーンの中で饒舌に語っていた。映像のもつ表現力に驚いた。
女性の肌に当たる光と影だけで、性的興奮を覚えるほどであった。

大自然の中で生きる人間、その根源的な欲望とは何なのか?
原始の姿と、近代化していく周辺との対比が 普遍的な問いかけを発していた。

この映画が、その後沖縄へと向かわせる きっかけの一つであったと言ってもいい。
それだけのショックを、まだ右も左も分からぬ若造に与えたのは間違いない。
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by rurou-no | 2007-03-06 10:57 | 映画
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