一所不住



レニ・リーフェンシュタール

101歳まで生きたこの女性のことを書くのは、「美」の本質について考え、またその強さと
危うさを認識した上でないと、自らの立場も問われかねない難しさを含んでいる。

レニ・リーフェンシュタール は 1902年 ベルリンに生まれ、ドイツの現代ダンスである
ノイエ・タンツのダンサーとして、その経歴を始める。その後、膝を痛めたことによりダンスを
続けられなくなり、女優そして映画監督となる。晩年は写真家として「美」と関わり続けた。

1934年 ニュルンベルク ナチ党大会記録映画 『意志の勝利』 これはドイツ語バージョン
      しかないので、言葉が解らないまま観た。これぞプロパガンダ映画の傑作。
1936年 ベルリンオリンピック記録映画 『オリンピア(「民族の祭典」「美の祭典」)』
      選手の肉体賛美が、結果的にナショナリズム賛美となっている。これも傑作。

彼女は戦後、ナチの協力者として逮捕・投獄されている。生涯その汚名と闘い続けた。
「私は政治には関心がない。私が興味あることはただひとつ"美"だけです。」
この言葉に嘘はない。それを疑う余地がないほど、彼女の作品の芸術的価値は高い。

「美」を表現するためには、あらゆる手法や技術を駆使することを惜しまない。
『オリンピア』 は270時間ある撮影フィルムを、1年半かけて自分で編集したそうだ。
この映画ではドキュメントであるにも拘らず、棒高跳び競技は別の日に撮り直したものだし
水泳選手のクローズアップやマラソン選手の足元などは、別撮りのフィルムを挿入した。

後半生は、スーダンのヌバ族を10年間取材した集大成の写真集 『ヌバ』 を1973年出版。
71歳でスキューバーのライセンスを取得し、100歳で 『ワンダー・アンダー・ウォーター』
を発表するなど、「美」への追求は衰えることを知らなかった。見事な生き様であった。
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by rurou-no | 2007-02-24 16:00 | 映画
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一瞬を、永遠に
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