一所不住



けんかえれじい

『けんかえれじい』 は、鈴木清順 監督  高橋英樹 主演 による 1967年の作品である。
旧制中学の、硬派でバンカラな学生が 喧嘩と煩悩に明け暮れる日々を描いたもの。
世相が次第に不穏な空気を帯びてくる様を、北一輝が登場する短いシーンで象徴していた。

鈴木清順は、公募の助監督一期生として松竹へ入社するが、高給に釣られて日活へ移る。
日活では 小林旭 宍戸錠 和田浩二らを主演に、B級プログラム・ピクチャーの監督として
傑作、駄作織り交ぜて、次々と奔放なイメージで映画を撮っていくことになる。

そうした中、『けんかえれじい』 のあとに撮った、『殺しの烙印』 が難解すぎると社長の怒り
を買い、日活を追われて映画が撮れなくなった。1968年のことである。

10年の沈黙の後、1977年に 『悲愁物語』 で復活。この作品は評判が芳しくなく、1週間
で公開打ち切りの憂き目にあうが、私は逆に高く評価している。日常の中に潜んでいる恐怖
に背筋が凍りつくくらいと言ったら大袈裟か。白木洋子 江波杏子 原田芳雄 3人が怪演。

清順美学に世間がやっと追いついたのは、1980年 『ツィゴイネルワイゼン』
内田百閒の 『サラサーテの盤』 を原作に、荒戸源次郎がプロデュース、脚本は田中陽造。
映画的色彩の美しさと豊かなイメージの展開で、清順映画としては空前のヒット作となった。

「映画というのは、ひとつのフォルム(形式)以外のなにものでもない。」 と言い切る。
その言葉どおり、清順映画は様式美とそれを壊す力が拮抗して、現実と超現実のあわいで
不思議な魅力を醸し出しているから目が離せない。
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by rurou-no | 2007-02-21 14:56 | 映画
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一瞬を、永遠に
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