ギリシア神話で、人類に火をもたらしたとされる
プロメテウス 。
そのことでゼウスの怒りを買い、カウカソスの山頂に張り付けにされ 生きながらにしてハゲタカに肝臓をついばまれる責め苦を強いられる。
小学生の時、学芸会の劇で 上級生のヒロジクンがプロメテウスの役をやっていた。
ゼウスから火を奪い、人間に渡したあと 「人間よ、火を、火を守れ!」 と言うのがとてもカッコよかった。
自分も上級生になったら、同じ劇でプロメテウスの役をやりたいとあこがれる。
学芸会の劇を何にするのかは、どういう風にして決めたのか覚えていないが、上級生になったとき 「プロメテウスの火」 を上演した。
プロメテウス役は誰がするのか、同級生の男子は3人だけだから 3分の1の確率だった。
そしてとうとう、念願の役を演じることになった。
それだけのことだが、毎年あった学芸会で何をしたのか 思い出せるのは他にない。
いわば、舞台への出発点になったものと言えよう。
その時は、気持ち良さよりも恥ずかしさの方が 強く印象に残っている。
プロメテウスは、人間に「知識」を与えた。しかし未来を知る能力だけは与えなかった。
それは、未来を知ると絶望してしまうから だとよ。