「ぢ」 は 「じ」 という字に置き換えられるようになって久しいせいか、「ぢ」 から始まる
言葉は思いつかない。「ぢ」 一字だとどうしても 「痔」 を連想してしまう。
少々イタイ話にはなるが、ここは「痔」のことを書くしかないのか。
幸いにして、痔はまだ患っていない。
が、その痛さに苦しんでいる人を何人か知っている。旅行をする時は、携帯洗浄器は
必需品らしい。そう、ウォシュレットこそは 痔持ち人の救いの神なのである。
排泄後の尻の処理の仕方については、様々な方法が用いられてきた。
一般的には「拭く」のが大勢を占めているが、何を使って拭くかといえば、紙だけでなく
葉っぱやロープ、あるいはへら状のものでこそげるところもあるそうだ。
旅の途中インドネシアのバリ島で、「洗う」を初体験した。トイレには水の入ったバケツが
置いてあるだけで、これが話しに聞いていたアレかぁ と意味もなく感動したものだ。
民宿のおばさんに訊ねたら、笑いながらやり方を教えてくれて 使った後は次の人の為に
外の水道で水を汲んでおいて置くようにと注意も忘れなかった。
洗ったあとで濡れたままの尻にパンツを穿くのは なんとなく落ち着かなかったが、すぐ
乾いてしまった。これこそが、ウォシュレットのプロトタイプに相当するものである。
因みに水洗式のプロトタイプは、川の上に作った厠。我が家の便所は そのどちらにも
属さない、昔ながらの汲み取り式。今の季節は、冷たい風が下から吹き上げてきて体が
硬直してしまう。出るものもなかなか出ないから、ぢっと我慢するしかない。