祈りと芸能の島 バリ。
イスラム国のインドネシアにあって 唯一、バリ・ヒンズーを信仰する島の人たち。
彼らの一日は 祈りから始まる。
家の周りに 何ヶ所もの祈りの場所があり、毎朝 花と供物を捧げてお祈りする。
信仰心の薄い日本人にはとても真似が出来ないほど、生活と祈りが違和感なく
一体化され、日常の風景となっているのだ。
祈りと共に 暮らしの中に溶け込んでいるのが芸能である。
毎日必ずどこかで、ガムランの演奏会や バリ舞踊の上演をしている。
日が暮れると三々五々集まり、村人たちによって 音楽や舞踊が演じられる。
その中で 嵌まってしまったのが、「ケチャ」。
寺院の広場で、上半身裸で腰布を着けた100人余の男たちが 円陣を組んで座り
「チャッ チャッ チャッ」 と、ユニゾンでリズムを刻むように歌いながら 激しく踊る。
円陣の中央では、同時に 古代インド叙事詩『ラーマーヤナ』を題材とした舞踊劇が
進行する。レゴン(女性の踊り)、バロン(動物を模した踊り) 等、次々に登場する。
更に ダンサーがトランス状態になってしまう サンヒャンが踊られることもある。
小さな松明の明かりだけで 暗いからこそ、夢幻の世界へ 誘われるのだ。
近年は、バリ絵画やバティック(染織物)など 洗練された芸術品でも有名になって
きているが、これ以上は 観光案内になってしまいかねないので、これまで。