齢を重ねると 誰でもそうなるのか、最近 涙腺が緩くなって 困っている。
本や新聞を 読んでいる時など、思わず 落涙しそうになることがある。
どうってことない、ちょっとしたいい話 程度でも、人の気持ちの優しさを
感じ取った時には危ない。ついつい、こみ上げて来るものがある。
それでも、近ごろ大流行の お涙頂戴ものではいけない。
その あざとさや、薄っぺらな感情の大安売りには 鼻白んでしまうだけだ。
さすがに年の功というか、仕掛けられたものには たやすく乗りはしない。
人の感情は、複雑であることを 知っている。
今年、串本でも上映があった 「男たちの大和」という映画がある。
話題作であり、感動して大勢の観客が涙を流したとPRしていた。
ところが実際は 安直で大雑把な、いたずらに長いだけの作品だった。
ステロタイプの戦争映画で いったい何をい描こうとしていたのか。
退屈で、泣けるところなどなかった見本として。
閑話休題。
音楽を聴いても 涙が出そうになることがある。
旋律が泣かせるのか。
音楽の持っているエナジーが 心を掴まえて離さないから。