24日、「中秋の名月」は灰色に墨を刷いたような曇天で、前夜14番目の月で魅了してくれた美姿は隠れたままだった。
月明りの夜歩きという風情は次の望月までお預け。街灯のある住宅街を抜けた先に「木のトンネル」と呼んでいる森の中を通る道が続いており、ここにも街灯があるのだが消えたまま放置されていて夜の森の暗闇を堪能できる。無事に夜の森を通過できたら、海沿いの「周遊道路」に出る。
いきなり波の音が飛び込んできた。そして波の音と共鳴するかのように、ふだん禿頭爺の耳では聞き取れない虫の声が聞こえてきた。それに呼応して次から次へと虫が鳴き始め、周囲を虫の大合唱に包まれた。さまざまな種の鳴き声を特定することは叶わないが、街灯もなく月明りも届かない暗い中、海鳴りと虫の音の競演は思いがけない贈り物となった。月を愛でる代わりに、役立たずの耳へ御馳走でもてなしていただいた。夜は歩いてみるものだ。
連休中はキャンプのテントで賑わった大芝生も、ひっそりとして闇に沈んでいる。本来ならこの夜は月光を受けて広大な芝生が浮かび、その向こうには月の光を照り返す海が遠くまで見通せたはずだったが、目の前は闇が広がるばかりで、日常を取り戻した安堵感さえ漂う。これで満天の星さえあれば、いつもどおりだったんやけど。
何をしているわけでもないのに、せわしなく日が過ぎていく。ここへ記録しておこうと思っていたことも忘れてしまい、1週間の間に何があったのかさえ分からなくなっている。まあ、行き当たりばったりの備忘録のようなものではあるが、書く前に忘れてしまうようでは、わけない。
とりあえず昨日の出来事。プロ野球、広島東洋カープがリーグ3連覇を達成した。本拠地での優勝決定は27年ぶりだという。めでたし、めでたし。
今朝の気温は、室内で23.1度。急に秋がやってきた。雨が降って昼間も気温が上がらず寒い。冷え性の身には辛い日々を思うだけで、からだが竦む。