1週間前は「雨水」で生温い風が吹き、やれやれ寒さも峠を越えたと油断していたら、次の日からまた冷え込みが厳しくなり、昨日から今日にかけて「史上最強の寒波」って、もうすぐ3月やど。
東北地方は猛吹雪で、酸ヶ湯は積雪534cmと国内最高を記録したそうだ。
地球温暖化の声はどこへやら、この冬は寒冷化説の方が正しいのではと思うくらい寒かった。
わが家の電気代はとうとう月1万円を超えた。他の家と比べると少ないようだが、なにしろ超ビンボーな暮らしの中で1万円超は痛い。1万円以内に収まっていた去年より増えているのは何ゆえか、さっそく真相究明の調査に乗り出したところ、どうやら去年は使っていなかったオイルヒーターを出したのが最大の要因と考えられる。
本州最南端でこがいに寒いやなんて、とボヤいてばかりの冬だった。
そんな折、23日付新聞に「世界一寒い村を訪ねた」という記事が載っていた。ロシアのサハ共和国オイミャコン村は「北極圏のやや南の北緯63度に位置する。人口約600人の大半がサハ人(ロシア名・ヤクート人)。ギネス世界記録に、人の定住地として世界最低気温の零下68度(1933年)が登録され、零下71.2度の非公式記録も残る」と説明があった。
西村記者が訪ねたときは、マイナス61.5度。車が故障すると危険なため必ず2台1組で走るそうだ。エンジンを止めると2度と動かないからエンジンはかけっぱなしだとか。鼻水は凍ったが涙は凍らなかったという。小便は「尿からもくもくと出た湯気が瞬時に凍って、ダイヤモンドダストのようになった」と報告する。シャボン玉や熱湯、果物などで実験もしていた。
そういえば米原万理さんの『魔女の1ダース』にも、このサハ共和国のことが取り上げられていた。「通常の感覚でいう寒いなんてものではない。痛くて痛くて皮膚など表面に出していられない」「唯一外気に接している眼の表面の水分が瞬く間に凍って、瞬きする度にシャーベットができていく」
やはり「尿意は脅威となった。排泄は、わたしにとって10枚以上重ね着しているのを全部剥がし、素肌を外気に晒すことを意味した」そして三方を板で囲っただけのトイレにも拘らず「放尿中さらされていた皮膚は、まったく寒さを感じなかったのである」とあった。
こんなとこでよく生活してるな、というのが実感だ。人間の生きる力はすごい。ところで部屋の中の写真は半袖かノースリーブ姿である。目一杯着膨れて震えている南のジジババはどうなんや。