7月下旬から休みなく仕事をしていて今日やっと休みになった。夏の盛り、からだに突き刺す光をまともに浴びて、休むこともままならない臨時の末端労働者はつらいよ。
そういえば、去年の12月から今年の3月までもそうだった。真冬の野外で寒い思いをした。
久しぶりにブログを更新しようとしたら、ログインできない。ありゃりゃ、とうとうつまはじきにされてしまったのかとあれこれ試してみて、パソコンの不具合であることが判明しなんとか侵入できた。
さて、と。この20日間、さまざまな出来事があった。
個人の日記だから極私的な一つを挙げると、黒田征太郎さんの健在ぶりを目にしたことであろう。
今月3日、新宮市で《中上健次没後20年 '12熊野大学夏期特別セミナー「ケンジアカデミア」公開講座》が開かれた。講座①文芸漫談「軽蔑」をめぐって 講座②ライブペインティング「ケンジに捧げるインプロビゼーション」の2本立て。
①は、いとうせいこうと奥泉光の2人。意外だった奥泉さんのファンキーキャラ全開爆裂トークは、小説とはひと味違った彼の面白さを発見した。2人とも中上ファンとして中上小説の読み方、解釈の仕方など披露し合い、下手な漫才なんかよりずっと笑える堪能な喋りであった。
そして疲れたからだを引きずって車で1時間、出かけた甲斐があったと思わせたのが黒田さん。「クロセイ」という記号で認識し(立ち回り先が重なるという意味で)身近な常に気になる存在だった。
いつものように「黒田です」と「ろ」にイントネーションのある自己紹介で「73年も生きてしまいました」と話し出した。
ひとしきり中上健次の思い出を語ったあと、からだを斜に構えて猛然と描き始めた。何かに突き動かされているかの勢いでどんどん描いていく。まさに真剣勝負を挑んでいる気迫で圧倒された。
小さな画用紙に40分で40枚。一気呵成で描き上げた。意識的かどうか、どの絵にもたくさんの目が描かれており、無数の目に見つめられた。クロセイ健在なり、や。