久しぶりに上方落語からタイトルをお借りしてお付き合いを。というのもビロウな話で申し訳ないが、わが家は初老に差し掛かった者同士の2人暮らしで、やれ「トイレが近い」だの「なかなかおしっこが出ない」など日常会話で交わすようになってきた。
先日、そんな話をしていて思わず『へっつい盗人』の一節が口から出た。そう、例の「じょんじょろりん、じょんじょろりん」というあれである。
この『へっつい盗人』は、友だちが宿替え(引っ越し)したお祝いにへっついさんを贈ろうと道具屋へ盗人に入るアホな2人の噺だ。
「へっついさん」と言っても近ごろでは通じなくなってきた。「おくどさんやがな」では、ますます迷宮入りしてしまう。「ようするに、かまどのことや」と説明したつもりでも、そのかまどが生活の中にない。噺家は大変やなぁと同情を禁じえない。
落語の舞台となることが多い長屋には、共同の井戸があり水仕事はそこで、煮炊きは各家のかまどで、ということになっていた。トイレも共同便所で、この噺の冒頭に出てくる。
さて、噺の聞きどころはオノマトペ(擬音語、擬態語)である。演じる方も腕の見せどころだ。
へっついさんを盗み出そうとした時に緊張してしょんべんがしたくなった。そのしょんべんの長いこと、長いこと。擬音語を延々と演る。
鈍でおっちょこちょいの2人組なら落語のネタにもなろう。だが、あってはならない事故を起こしたのに事故の実態隠しと責任逃れに汲々とし、倒産すべき会社を救ってもらった(税金で)のをいいことに被害者への賠償から逃げようとするばかりか、テメエらの給料とボーナスのために電気代を値上げしようなんて、盗人猛々しいことこの上ない輩がまかり通っているのは理不尽である。盗人に追い銭くれてやるほど太っ腹にはなれないぞ。
23日、軍用輸送機のオスプレイが岩国基地へ陸揚げされた。10月には沖縄の普天間飛行場へ配備されるという。野田首相は「米政府の方針だから」と。日本は独立国やなかったのか?現政権は様々な局面で保守志向が先鋭化していて、困ったことになってきた。