国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺泪 時に感じては花にも泪を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火三月に連なり
家書抵万金 家書万金に抵る
白頭掻更短 白頭掻けば更に短く
渾欲不勝簪 渾べて簪に勝えざらんと欲す
唐の詩人、杜甫による五言律詩『春望』。
中学校の漢文の授業で「くにやぶれてさんがあり・・・」と暗記させられたのをまだ覚えている。
もちろん覚えていたのは日本語読み下しの方だけで、漢文の部分は調べて写してみた。
この国の現状と安易に結びつけるつもりはないが、「く」から始まるタイトルを探そうとしたとき頭に浮かんだのがこの詩だった。まさにこの3ヶ月というもの「くにやぶれてさんがあり、しろはるにしてそうもくふかし」と詠みたくなる風景をいやというほど目にしてきた。
そして今ちょうどこの時間に国会では、菅内閣不信任決議案の採決が行なわれているはずだ。
もともと政治家には多くを期待していないから批判するのもアホらしいところだが、どこまでもテメエの欲得や利益しか考えていない性根に呆れてしまう。
そんなことしてる場合か、政治家としてやるべきことがほかにあるやろ。
どっちにしても茶番劇や。こんなお目出度い連中に政治を任せている我々も反省せなあかん。
今は、政府が頼りないからと足を引っ張り合う時ではない。あらゆる知恵と力を持ち寄って、協力して難局に立ち向かう時なのだ。目の前で困っている人を早くなんとかしろよ、と言いたい。
今さらながら、貧困なる政治状況へ自責の念とともに忸怩たる思いだ。