「エコ」や「スローライフ」などとともに、その目指すところは共感できるものの、どこかちょっと違うなぁと引いてしまう言葉のひとつとして「ロハス」がある。
それもそのはずで、もともとはマーケティング用語だから、どうしても商業主義的な性格が抜けないからだろう。「健康と環境を志向するライフスタイル」なんて勝手にやっとれっ!てなもんだ。
ライフスタイル(L)オブ(O)ヘルス(H)アンド(A)サステナビリティ(S)の略だという。
「Sustainability」をフェイバリット英和辞典で調べると「持続可能性、長期持続できること」とあった。どうやらここらへんがポイントのようだ。
科学技術と文明社会に生きる現代人にとって、エネルギーの問題は避けて通れないものである。いずれ枯渇する化石燃料に代わるものを早急に見つけないと、えらいことになってしまう。
そこでウランなどの核分裂反応を利用して、効率よく電気を作り出す原子力発電というものが考えられた。未来のエネルギーだと喧伝されてもいる。
ところがこの原子力発電は大量の核廃棄物を生み出す。つまり放射能のゴミである。そのゴミを処理する方法はなく、そのまま「貯蔵」している。溜まる一方のゴミを地下室に積み重ねるだけの作業は果たして持続可能なものだろうか。しかも放射能汚染のリスクを半永久的に抱え込んだままだ。
電力会社はゴミ(放射性廃棄物)の一部を再処理したプルトニウムをウランと混ぜて発電に利用する「プルサーマル」なるものを進めているが、このリサイクル事業はゴミの量はさらに増えるし事故の危険が高まるばかりで、コスト面でも割に合わないから現実的でない。こんなバカなことのために我々は高い電気代を払わされている。
今考えなければならないのは、太陽光や風力、地熱、バイオなど持続可能なエネルギーへシフトすることであるのは言うまでもない。
今日の新聞に原発事故を受けて、「家庭の節電対策」一覧が載っていた。
エアコンは使わない。冷蔵庫は小型のもの。照明は必要な所だけ。テレビはない。温水洗浄便座はない。使っていない電気器具のプラグは抜いている。わが家は栄えある節電家族だ。
ロハスっつうたって、昔ながらの伝統的な田舎の暮らしそのままやないか。
都会ではなかなかそうはいかないから、ファッショナブルでかっこよさが求められるんやろな。