普段なら牛の歩みと役所の仕事は遅いものだと半ばあきれながらあきらめていたが、非常時においてもその得意技を封印することなく遅々として被災した方々の支援がはかどらないのは、歯がゆいばかりである。
昨日、「復興構想会議」の初会合が開かれたそうだ。
神戸のときには街の復興が優先されて、人は置いてけぼりをくったというのが実感としてある。
市街地は整備され建物が新しくなり、目に見えるきれいな街並を「復興」と喧伝されたが、実際はもとの土地へ帰る事もできず、生活を再建することもかなわず、孤独の内に亡くなった人が後を絶たなかった。
行政から見捨てられた人のなんと多かったことか。
どうか、今度は忘れられた人が1人も出ないよう願う。
ともあれ、災害はまだ進行中だ。原発の深刻な事態は回避できていないばかりか、原発事故評価尺度がチェルノブイリと同じく最悪の「レベル7」となった。
この期に及んでも政府と東電は、情報を公開し分かりやすく説明する義務を怠っているから、人びとの不安や不満は広がるばかりだ。
政治家、官僚、企業、学者が一体となった「原子力ムラ」、または「原子力マフィア」といわれる連中は既得権益を守ることしか頭になく、テメエらが何を仕出かしたのか見えていないのではないか。
コイツらのせいで、原子力の危険性を指摘し続けた真っ当な研究者たちは冷や飯を食わされた。
彼らの学者としての矜持は、学内での出世や潤沢な研究費と引き換えに研究の成果を取り引きしなかったことだ。
今さら言っても詮無いことやけど、40年前から再生可能な自然エネルギーへ取り組んでいたら、今ごろは科学技術の進歩著しいこの国なら、エネルギー政策先進国として世界をリードする立場にあったはずや。