観測以来もっとも暑い夏となり、熱中症による死者が続出した。
と、記録されるであろう今年の夏。9月中旬になっても気温は30度を超えている。
ここまで暑いと物事を考える力も失せて、ブログ更新どころではない。
南の国の人たちは精を出して働くことをせず、のんびりと遊んでばかりいるイメージがあるのもうなずける。こう暑くてはやってられない。みんな一緒に日陰で昼寝をしていればいいのだ。
問題はお金がないと何も始まらない、経済の論理が支配する社会に属していること。その社会から大きく弾き飛ばされた上、お呼びがなくなった我が身が不甲斐ない。まだ現役のつもりなのに、茶を挽いてばかりではおまんまの食い上げである。
「転宅」は上方落語から。
心斎橋を東へ行った鰻谷にある長屋。ここに住む浄瑠璃のお師匠さん、実は船場の大店の旦那のおてかけさん(お妾さん)の家へ押し入ったアホな泥棒が、機転を利かせたおてかけさんの口車に乗せられ自分の財布を渡して帰ってしまう。泥棒は約束した翌日訪ねたところすでに転宅した後だった。このおてかけさんは浄瑠璃の三味線弾きで、サゲは「それでうまいこと調子合わしよったんや」と粋(すい)にまとめる。
ビンボー所帯の我が家は、いつまでも腰を落ち着けることなく引越し貧乏の見本のようなものだ。2年前に借りた古い家はいきなり水道管の水漏れと雨漏りの洗礼を受け修繕するも、今年再び水道管が破れた。そして今度はトイレの床に張ったコンクリートがひび割れてきた。汲み取り式だから万が一床が落ちたら、想像するのも憚れるほど悲惨なことになる。危険この上ない状態を回避するには逃げるしかない、とまたまた引越しが決まった。
当然、引越しはすべて自分でやらなければならない。荷物をまとめたり運んだり手間のかかる作業はわずらわしくて2度としたくないと思いながら、性懲りもなく繰り返している。
こんなトホホな人生を選んだつもりはないのになぁ。世間様と合わんかったんやろね多分。