このところ天野忠さん、豊田勇造さんと京都が近くにやって来たような感じだが、京都ネタを続けたい。
今朝は5時ごろに目が覚めて布団に入ったまま、京都にあったコーヒー屋さんのことを考えていた。
東山三条のカルコは窓の外を路面電車がゆっくりと走って行くのを見るのが好きだった。丸太町通へ上るとインバがあった。百万遍の京大近くにはZACOと彷徨館と進々堂、烏丸今出川の同志社近くは駱駝館、少し戻って寺町今出川にSMスポットと空。府立大の近くにあったのはルオー。
河原町へ出るとコニー・アイランドがあり、有名どころの六曜社と堺町イノダ。むいやミューズもよく行った。白川通の黙示録、近衛の風雅堂、烏丸三条のモンローウォークなども行ったなぁ。
ジャズ喫茶では蝶類図鑑。そしてZABOは特別な位置を占めていた。
名前は忘れてしまったけど、おいしいコーヒーを出してくれる行きつけの喫茶店も何軒かあった。
思いつくまま書き出しているときりがない。なにしろ「名前のない喫茶店」という名前の店まであったのだから。もうなくなってしまった店の方が多いのではないだろうか。
とにかく毎日、何杯もコーヒーを飲んだ。コーヒーが好きだったこともあるが、それ以上にコーヒー屋さんへ行くのが好きだった。人に会いたいとき、一人になりたいとき、考え事をしたいとき、本を読みたいとき、音楽を聞きたいとき、ただボーッとしたいとき、用もなく暇をつぶしたいときなど、気分に合わせて足が向く。1日のうちでコロコロ気分が変わるものだから、結果的に何軒もハシゴをするはめになった。
中でも毎晩、家へ帰る前に必ず立ち寄っていたのが「ろくでなし」。カウンターとボックス席が1つだけのジャズ・バーで、マスターとは店を開く前にいた「アルマジロ」からの馴染みだった。このマスターの顔を見ないことには1日が終わらない、という愛すべきろくでなしどもが集まっていた。
古いこの酒場で たくさん飲んだから 古い思い出は ボヤケてきたらしい 私は恋人に捨てられてしまった 人がこの私をふだつきと云うから ろくでなし ろくでなし なんてひどい オーウィ! 云いかた 「ろくでなし」 岩谷時子/作詞 越路吹雪/歌