一所不住



6人

目の前に 一葉の写真がある。
高校3年生の文化祭で 「父帰る」 を上演した。
幕が下りたすぐ後に、中庭で記念撮影したものだ。
舞台の緊張が解け、充足感に満たされた 6つの笑顔が 
横1列に並んでいる。

左から 弟、父、母、兄、妹、そして指導してくださった先生。
1年後はそれぞれ 大学生、専門学校生、短大生、社会人になり、
ひとつ下の妹はまだ高校生。

セピア色になりかけた この写真を見るたびに思う。
1本の映画が撮れる と。

ひとりひとり 全く違う人生を送り、今でも
かけがえのない 友である。

社会からドロップアウトし、気ままなその日暮しで口を糊してきた。
我が身を振り返る時、彼らと出会った そのことだけでも
まだ半ばではあるが、自分の人生は大成功 と言える。
[PR]
# by rurou-no | 2006-10-06 09:54 | 子ども時代

五感

生まれつき 五つの感覚器官のうちの一つ、
聴覚に問題があった。
そこはよくしたもので、他の四つが人並み以上に
優れて 敏感となる結果をもたらした。

これは 他の動物なら当たり前のことだ。
生き延びる為に 嗅覚が、或いは視覚が発達して
その能力は  無限の可能性を秘めている。

こうしてみると 五感がほぼバランス良く(?)備わっている
人間の方が 退化しているのかも知れない。

欠陥ではなく、より自然の中の動物に
一歩近づいたと考えれば 望むところである。
しめしめと ほくそ笑んでしまう。
[PR]
# by rurou-no | 2006-10-05 16:13 | 子ども時代

4km

中学生のころ 毎日、学校まで片道4kmの山道を
歩いて通った。

各教室が 一本の長い廊下でつながっていた
懐かしい木造校舎は、すっかり建て替えられ
今や 当時を偲ぶよすがもない。

学校とは、教養や知識を身につける場であるとともに
感性を磨く場でもある と思う。
いったい 校舎は誰がデザインし、それを誰が決めて
建てているのか?
滋賀県の豊郷小学校の例を出すまでもなく、
美しくデザインされた校舎を壊して、
無機質で醜悪な校舎ばかりを建てる罪は 極めて重い。

西ヨーロッパを旅した時、どの街へ行っても 建物や街並みに
美を守る為に譲れない一線を 確固として持っていると強く感じた。
そうしたものに囲まれて 成長する子どもたちに比べ、私たちは
美意識を形成する上で ハンディを課せられている。

こりゃ、かなわんはずや。
[PR]
# by rurou-no | 2006-10-04 13:55 | 子ども時代

三線 (エイサーの夜)

沖縄で島唄の虜になってしまった。
そんな人は大勢、いると思う。
古い友人で、沖縄民謡を歌うバンドを作ってしまったのもいる。

宴席で興が乗ると、誰とはなしに三線を弾きだし
それに合わせて、喉自慢が歌いだす。
そして、踊りが始まる。
最後は必ず、皆でカチャーシーになった。

「旧盆に来ればエイサーがあるさぁ」と聞いて
出かけたことがある。
各地区ごとに趣向を懲らし、男たちは揃いの衣装に太鼓を持って
女たちは七分丈の浴衣を揃えて、手踊り。
三線と唄が横につく。

一晩中、演奏しながら踊り明かす先祖供養。
とことん付き合おうと、朝までついて回った。
忘れられないエイサーの夜。
[PR]
# by rurou-no | 2006-10-03 15:37 |

二番目

一番より二番が好きだ。
気になるのはいつも、トップに立って賞賛を浴びる人よりも
その陰で静かに佇んでいる人の方。

映画や演劇でも、主役より脇役に眼が行く。
写楽や北斎の版画を目にするたび、
無名の彫り師や摺り師の 職人技の凄まじさを思う。

アーチストよりもアルチザンを志向してきた。
中心より、周辺にこそ面白いものがある と信じている。
そのせいかどうか、大相撲中継を見ている時
土俵上の力士より、桟敷席のお客さんばかり見てしまう。

ただひとつ、いくら気取ってもなれないのが「二枚目」
師走の風物詩として、京都南座に上がる歌舞伎芝居の名題看板
まねきの一枚目は座頭。二枚目は一座で一番人気者の立ち役。
二番人気は、三枚目と相場が決まっている。
[PR]
# by rurou-no | 2006-10-02 14:20

一所不住

あれから、何年になるのか
長く住んだ土地を出る時、天から降りてきた言葉が
          「一所不住」だった。

ひとつの境地(ところ)に安住することなく、常に自らを高めるべく
諸国を巡る修行僧

まさか、そこまで立派な決意があったわけではない。
引越しを繰り返し
ふらりと旅に出ては、長く帰らず
そんなことばかりしてきた。

社会生活不適応の、能天気な風来坊
[PR]
# by rurou-no | 2006-09-30 16:23 | 言葉・本


一瞬を、永遠に
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
以前の記事
カテゴリ
メモ帳
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧