一所不住



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さりとても思い離れし己が身よ

今朝は少し冷え込んだ。といっても部屋の温度計は17.1℃だから、寒いなんて叱られそうな気温やけど。温暖な土地に馴染んだ体には、これでも血圧が上昇するレベルの冷えで、頭がふわふわと落着かない。

先月下旬からの腰痛が長引き、月が替わって歯痛にも悩まされている。腰痛は若い頃からの持病で自分なりに改善方法はあるものの、歯痛はどうにもならない。行きつけの歯科医院は暫く行ってない間に、予約が取りにくいと評判が立つほど患者が増えたみたいで、やっと2週間後を予約できた(まだあと1週間の辛抱だ)。

思えば「谷間の世代」と名付けられ、前を行く「団塊の世代」という大きな山を追いかけるばかりの人生だった。越すに越されぬ団塊山は常に中心で聳え立っており、とうとう近付けないまま今に至っている。

50代のころは60代の元気な彼らを見て、還暦を過ぎたら体の細胞が入れ替わってあんな風になれる、と思い込んでいた。その60代になった自分の体は、50代よりも経年劣化が目立つばかりで、ちっとも団塊っぽくないやないか。気持ちと体のズレが広がり、思うに任せられない体を持て余してしまう。ところが70代のなんと元気なことよ。

冷静に考えれば、歳のとり方は個人差が甚だしく人それぞれである。活動的な団塊世代が気になるのも、単純に人数が多いから目に付くだけなのだ。それはわかっていても、堂々と本流を行く彼らを超えられないのが悔しい。
さりとても思いと裏腹に、体は勝手に離れていくのがままならない。

12日夜(日本時間13日未明)、イラン・イラク国境付近でM7.3の大地震があったそうだ。映画などで知るこの地域は、日干しレンガを積み上げた建物が多いので、地震などには弱くて簡単に倒壊してしまいそうだから、その被害が心配である。

千葉県市原市田淵の養老川沿いにある地層が、約77万年前に地球の磁極が逆転した痕跡が確認できることから、地質学で地質年代の境界を代表する「チバニアン」と呼ばれる可能性が高まったという。
こんな面白いニュースにもっと接したいが、世の中の出来事を伝えるニュースは、そもそもつまらないことの方が幅を利かせているものかもしれない。人の不幸は蜜の味というし。

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by rurou-no | 2017-11-16 10:14

襟ありて役割一つ知る寒さ

先月のこと、急に寒くなった朝、「歳とると冷やくいの、こたえるなぁ」とぼやいてたら、連れ合いが「襟のある服着た方が温いで」と教えてくれた。その時身に着けていたのは首筋が出ているトレーナーで、ポロシャツに着替えたら慥かに暖かかった。
人のいう事は素直に聞くものだ、と思い出して今日の表題に。

暑い時は首筋を冷やしたら涼しくなるし、寒い時はマフラーを巻けば暖かくなるのはわかっていたけど、ついつい横着してしまう。からだに老いを感じるのは、暑さ寒さに弱くなったことで、若いころ平気だった薄着が出来なくなっているのだ。あまり重ね着はしたくない方だが、そうも言ってられないからだの衰えに直面する日々である。

衰えは身体だけでなく頭もで、楽しみは専らテレビのスポーツ観戦になっている。
4日、プロ野球日本シリーズは、ホークスがベイスターズを4勝2敗で下した。
ホークスの日本一は既定のこととして何の疑いも持っていなかったが、ベイスターズが思っていたより粘り強さを発揮して、ハラハラさせられた。

同じ日、サッカーのルヴァン杯でセレッソがフロンターレを2対0で破り、初優勝を成し遂げた。開始直後と終了寸前の得点以外は終始押され気味の試合だったものの、最後まで先取点を守り切った。
野球もサッカーも応援していた方が勝ったので、めでたしめでたし。

5日、全日本大学駅伝は、学生最強ランナー鈴木健吾選手を擁する神奈川大学が優勝した。出雲優勝の東海大が2位、2連覇を狙った青学大が3位だった。
駅伝は長時間のため、1区と8区だけをテレビで。

同じ5日、トランプ米大統領が来日、日本側の過剰接待とアメリカから言いなりのまま戦闘機やミサイルを購入するという首相のポチぶりは、おぞましくてニュースを見る気にもならない。あまつさえ、娘(が立ち上げた世銀の基金)にまで57億円もの金を貢ぐのだとさ。税金やで!トランプにしたら、こんな楽な商談はあるまい。

国を滅ぼそうとする首相が選挙で支持を集めるのだから、あほらしいてやってられん。政府に都合のいい報道ばかりするマスコミの罪は重いで。
まあ、国民ももっと賢くならんとあかんのやけどな。

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by rurou-no | 2017-11-09 10:18

語られぬ思いとどけよ虫の声

先週は午前も午後も所用があって、投稿は休みにした。
この2週間は、週末ごと台風21号、22号がやってきて散々だった。それでなくても風が強い岬の台地では、雨戸を閉め切ってじっとしているしか手立てはない。
21号の時は2時間の停電、22号では断続的に7回も停電になった。「備えあれば患いなし」とはいかないもので、前触れもなくいきなり真っ暗になるとやっぱり慌てる。

秋台風が去った31日、季節は冬になった。といっても日が差すと暑い南紀では、長袖のダウンと半袖Tシャツ姿が同居することになる。それぞれの体感温度の違いもあろう。若いころ薄着をたしなめてくれた大人の心遣いがわかるようになってきた。

先月、熊谷達也『希望の海 仙河海叙景』を読んだ。9編からなる連作短編集で、読み始めてすぐ、これは 佐藤泰志『海炭市叙景』へのオマージュやな、と感じた。だんだん読み進めていくと、井上光晴『明日ー1945年8月8日・長崎』、映画では黒木和雄監督『TOMORROW 明日』へのオマージュにもなっていることに気が付いた。

「その日、その時」まで、確かにあったどこにでもある暮らしが突然断ち切られる。さまざまな事情を抱えながらもなんとか折り合いをつけながら市井に生きる、なにげない日常を切り取って、一人ひとりの人物を丁寧に描く手法は三つの作品に共通している。

東北大震災に遭って、積極的に発信した人や沈黙を貫いた人など、それぞれの立場でそれぞれの振舞いがあった。『希望の海』も、気仙沼市と思われる地方都市が舞台となっている現代小説ゆえに、震災は避けて通れない。
9編のうち最後の2編は「その後」の話で、『ラッツォクの灯』は出色だった。

震災の情報はおもに新聞記事から入手していたが、その新聞以上に、また他の震災関連の小説とも違って、この小説はそこに住む人びとの息遣いが生々しく伝わってきた。おそらく作家自身がその街と人を、肌感覚で知っているからではないか。
さらに『海炭市叙景』への敬意を忘れず、同じ位置と目線を持っていることだ。

そんなこんなで、今回の表題となった。
現実の出来事を報道する新聞記事やテレビの映像からは伝わらないものが、小説という形で伝わることもある。事実と真実あるいは本質の違い、見えている現象とその裏側にある見えないもの、主張する声と発せられない声、そしてとどかぬ思い、なんてことをつらつら考えさせられた。

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by rurou-no | 2017-11-02 11:00


一瞬を、永遠に
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