一所不住



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トレード

テレビがないせいで、スポーツをテレビ観戦という定番の過ごし方には縁がない。
ただ例外として大相撲はネット配信を利用して見ている。それともう一つ、今シーズンはMLBのネット中継でダルビッシュ投手の登板試合を開幕から数試合だけ見た。

そのMLBで活躍していた日本人メジャーリーガー2人に関するニュースが飛び込んできた。
マリナーズのイチロー選手がヤンキースへトレード(23日)。
レイズの松井選手が戦力外通告(25日)。

スポーツ選手の力の衰えは誰にでもやってくるものだ。それがプロの選手ともなれば、どれだけチームに貢献していても、ビジネスライクな仕打ちを受け入れなければならない。

イチロー選手は3割を打てなくなった途端に厄介者扱いされるようになった。
松井選手はワールドシリーズでMVPに輝いたのを最後にヤンキースをクビになり、その後はエンジェルス、アスレチックスとチームを転々として、今年はシーズン途中でレイズとマイナー契約、復活のチャンスを与えられたが結果を出せなかった。

プロ・スポーツの世界は結果がすべてで、成績次第で大金を稼ぐことができる反面、期待に応えられなくなればスター選手といえども、非情な現実が待っている。
野球で一時代を築いた2人と入れ替わりに、サッカーでは長友選手や香川選手が世界のトップ・リーグで脚光を浴びている。これも栄枯盛衰である。

折りしも4年に一度のオリンピックが始まった。とかく国威発揚が強調される大会ゆえあまり関心が持てないのだが、一流選手が揃った競技にはそれなりに見るべきものがあると思う。
どうか「国のため」なんて言わず「自分のため」にスポーツを楽しんで欲しい。
腰痛でわが身すら持て余しているジジイから、憧憬と羨望と嫉妬を込めたせめてもの願いである。
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by rurou-no | 2012-07-27 11:19

へっつい盗人

久しぶりに上方落語からタイトルをお借りしてお付き合いを。というのもビロウな話で申し訳ないが、わが家は初老に差し掛かった者同士の2人暮らしで、やれ「トイレが近い」だの「なかなかおしっこが出ない」など日常会話で交わすようになってきた。
先日、そんな話をしていて思わず『へっつい盗人』の一節が口から出た。そう、例の「じょんじょろりん、じょんじょろりん」というあれである。

この『へっつい盗人』は、友だちが宿替え(引っ越し)したお祝いにへっついさんを贈ろうと道具屋へ盗人に入るアホな2人の噺だ。
「へっついさん」と言っても近ごろでは通じなくなってきた。「おくどさんやがな」では、ますます迷宮入りしてしまう。「ようするに、かまどのことや」と説明したつもりでも、そのかまどが生活の中にない。噺家は大変やなぁと同情を禁じえない。

落語の舞台となることが多い長屋には、共同の井戸があり水仕事はそこで、煮炊きは各家のかまどで、ということになっていた。トイレも共同便所で、この噺の冒頭に出てくる。
さて、噺の聞きどころはオノマトペ(擬音語、擬態語)である。演じる方も腕の見せどころだ。
へっついさんを盗み出そうとした時に緊張してしょんべんがしたくなった。そのしょんべんの長いこと、長いこと。擬音語を延々と演る。

鈍でおっちょこちょいの2人組なら落語のネタにもなろう。だが、あってはならない事故を起こしたのに事故の実態隠しと責任逃れに汲々とし、倒産すべき会社を救ってもらった(税金で)のをいいことに被害者への賠償から逃げようとするばかりか、テメエらの給料とボーナスのために電気代を値上げしようなんて、盗人猛々しいことこの上ない輩がまかり通っているのは理不尽である。盗人に追い銭くれてやるほど太っ腹にはなれないぞ。

23日、軍用輸送機のオスプレイが岩国基地へ陸揚げされた。10月には沖縄の普天間飛行場へ配備されるという。野田首相は「米政府の方針だから」と。日本は独立国やなかったのか?現政権は様々な局面で保守志向が先鋭化していて、困ったことになってきた。
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by rurou-no | 2012-07-24 10:59 |

舞姿は闇の中へ

「7月7日夜7時から、熊野本宮大社で舞うの」と、一門の(亡き先代が病に倒れてから稽古へ出なくなり、もちろん発表会の舞台にも立っていない小生でもその末席を汚していることを認めてもらえるなら)現家元である古澤侑峯師から電話を受けたのは、2ヶ月ほど前だったか。

先週の土曜日、連れ合いと一緒に本宮大社へ出かけた。
以前は行きつけの店があって、ときどきは行っていた熊野川方面だったが、その店が閉店してからすっかり無沙汰をしていた。

昨年9月の大水害のときにはボランティアで入ろうと試みたものの、道路が寸断されて迂回路では半日がかりになると説明を受け、虚弱体質のひ弱なジジイには通うだけでも大仕事で、戦力にはならないと自分で判断して新宮から引き返したことがあった。

台風の爪痕は10ヶ月経った今でも、その凄まじさを訴えてくる。古座川や那智川よりはるかに規模が大きい新宮川の形が変わってしまうほど、風景が一変していた。道路はなんとか対面通行できるまでになっていたが、復旧には程遠い状態だ。

さて、七夕の夜に舞を奉納した舞台は、120年前の水害で流される前に社殿があった大斎原(おおゆのはら)。森の中にある社殿跡である。
社殿移転120年祭の一連行事なので、祝詞奏上や玉串奉奠など儀式があったため舞が始まるころには辺りはすっかり暗くなっていた。

1日のうちで最も美しい黄昏時に舞う意図があったのかどうか、灯りの用意はなかった。
単調で退屈な笛の音が聞こえる薄闇の中で、侑峯師が舞ったのは『珠取海士』。
舞う姿はだんだんと闇に包まれ闇に溶けてとうとう見えなくなり気配だけが空間を振るわせた。

その場に立ち会った約40人は、太古の森の夜をどのように感じたろうか。
いっそ笛の演奏もなかった方が、風が起こす自然の音色に耳を澄ますことができてよかったのに、というのはあまりにも演奏者に失礼やね。
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by rurou-no | 2012-07-12 14:14 |

やがて、そして今

連れ合いが図書館から借りてきた本の中に、『原発を拒み続けた和歌山の記録』 汐見文隆◆監修、「脱原発わかやま」編集委員会◆編 があった。
途中までしか読んでいないが、昭和40年代、関西電力が紀伊半島4町5ヶ所に原子力発電所を建設しようと画策したことに対して、20年以上に亘る地元住民の反対運動を記録したものである。

おかげで、紀伊半島には原発は一基もない。「今気がつけば和歌山県は沖縄県の次に原発に遠い県である」(本書より)。過疎に苦しむ漁村へ「地域振興」という名の札束攻撃にも屈することなく、粘り強い闘いで海、山、里の豊かな自然を守りぬいた地元紀州の人びとを誇りに思いたい。

40年以上も前から、原発の「安全神話」のペテンを見抜いていた、この地のおいやん、おばちゃんの慧眼に敬服する。
そのころ小生は京都に住んでいて、日高町や日置川町の反原発の闘いは伝え聞いていたが、古座町と那智勝浦町の動きまでは知らなかった。

もっぱら関心は「原発銀座」の若狭湾にあり、友人たちに「原発は福井県にあるけど、原発から近い京都も地元や。事故があったら真っ先にやられる。観光地の京都にだれも来なくなるで。放射能を浴びたくなかったら、とにかく遠くへ逃げなあかん」と繰り返し話していた。
それが、再稼動とは。

本の中で、市井の学者である宇治田一也さんのことが紹介されていた。宇治田さんは情報を収集して分析し独自に「宇治田理論」というものを打ち立てた。原発新設の必要性の根拠が崩れていることを明快に指摘したそうだ。未来を見据える確かな目を持った人だった。こういう人こそがもっと評価されてしかるべきだ。

宇治田さんのように地道な活動をしている人を知ると、自堕落な小生などは思わず気をつけして襟を正さなければ、と反省してしまう。
大勢の人の努力がやがて報われることもあり、あるいは報われないのもまた現実社会である。
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by rurou-no | 2012-07-06 15:42 | 地域

えげつないやり方や

昨日(1日)、関西電力は大飯原発3号機を再稼動させるため、起動スイッチを押した。
こんなデタラメが罷り通ってしまうやなんて、断固として許せない。
そもそも福島の事故はまだ収束していないし、原因究明すらしないままうやむやになっている。
原発周辺の町は失われ、避難した住民は帰れない。これが現実である。

事故を起こした東電の歴代役員が、犯罪者として処罰されないのが納得できない。
事前に危険性を指摘されていたにも拘わらず、何の対策もせず放置していた結果が大事故につながった。確信的な企業犯罪である。それでも当人たちに自覚がないから怖ろしい。

事故調では責任逃れの言い訳に終始し、なぜ事故が起こったのか明らかにしないままだ。
こういうふざけた態度をのさばらしているから、つけ上がるのや。早う、しょっ引かんかい。

それに同じムラ社会の仲間が仕出かした失敗を教訓にするのが、真っ当なあり方であるはずだ。
ところが関電は「電気を流さへんぞ」と、ヤクザまがいの脅迫を続け、強引に再稼動へ突っ走った。
こんなえげつないやり方をたしなめるべき政府は、企業と官僚の御用聞きに堕してしまって何の役にも立たない。民主党政権は3代目にしてまるで自民党と同化してるやないか、情けない。

巨大メディアも罪は大きい。例えば朝日新聞は、首相官邸周辺に4万5千人の市民が抗議に詰め掛けたのに一切報道しなかった。29日に抗議の市民が十数万人に膨れ上がって、やっと2段の写真と僅か5行の記事だ。外国のデモは大きく扱うくせに国内は無視ってか。
インターネットの時代に、よってたかって報道規制とはあきれる。

墜落事故が続いて危険な、垂直離着陸型軍用機オスプレイの沖縄への配備計画は、米軍の言いなりに進んでいるし、わけがわからなくなってくる。(ちなみに紀伊半島も訓練飛行ルート下にある)
なんでも強行すればええてか?そんなんあくかぁ。あかんもんはあかんのや!
と、またボヤいてしもた。
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by rurou-no | 2012-07-02 11:32


一瞬を、永遠に
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