一所不住



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祝島の人びと

山口県熊毛郡上関町祝島。人口は479人(今年3月末現在)。
この瀬戸内海随一の豊饒な海に囲まれた小さな島から眺める本土側に、中国電力が原発建設計画を明らかにしたのが1982年。以来30年にわたって原発建設反対を訴え続けた、祝島の人びとの行動は賞賛に値する。

原発と引き換えの莫大な交付金や町の振興策、暴力的な脅しなど、あの手この手の懐柔策にも拘わらず、恵みをもたらしてくれる海を守りたい一念で屈しなかった。その強固な意志に敬服する。
原発推進派の町長が当選を繰り返す中で、少数派であろうとも島の人びとのほうがまともであり、正しかったことはすでに証明された。

さまざまな検証によって分かったのは、被爆国で地震多発国の小さな列島に「核の平和利用」という美名のもとに原子力発電を国策として導入したのは、進駐軍米国の意向でありそれを全面的に受け入れた政官財のゴロツキどもであったことだ。
専門家が科学技術的にコントロールできない危険性を指摘したが、聞く耳をもたなかった。

出発点から嘘や誤魔化しが横行し、その慣習は取り返しのつかない事故を起こしたあとですら変わらなかった。東電や官僚組織は必要な情報を隠し、デタラメな発表に終始した。周辺住民が被曝しているのに、そのことを知らされずほったらかしにされた。これが奴らのやり口である。

そして事故の反省をするどころか、さらに原発を動かそうとしている。危なくて手が付けられない核のゴミ(放射性廃棄物)は溜まる一方だ。
安くて安全な再生可能エネルギーがあるのに、高くて危険な原発にしがみついているなんて正気の沙汰ではない。いったいどういう了見なんや。

祝島の人びとから学ぶべきだ。
 鎌仲ひとみ監督「ミツバチの羽音と地球の回転」(2009年作品)
 はなぶさあや監督「祝(ほうり)の島」(2010年作品)

この2本の映画が示唆を与えてくれるだろうと思う。多くの人の目に触れることを願う。
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by rurou-no | 2011-10-29 14:30

始末の極意

泥出しばかりしてるから、からだが泥まみれになるのは仕方ないとして、脳味噌までドロドロになってしまったみたいだ。さて書こう、と思っても「し」の言葉がうまく収まりつかない。

このあいだ「寒ぅなると電気代がかかるね」と連れ合いが家計のやりくりを心配していた。夏の間は小さな扇風機1台で過ごしたわが家だが、上方落語に始末自慢の噺があって、ひとりの男が暑い時に使う扇子を長持ちさせるため半分だけ開いて仰いで5年、残り半分で5年、と都合10年使えると言うと、もうひとりは「半分てなケチくさいことすな、わしなんかパァッと全部開いて首の方を振る」と返すくだりを思い出した。『始末の極意』だった。

落語に登場する人物はたいがい貧乏と相場が決まっていて、おかみさんが暮らしの中であれこれと始末の工夫をしているものだ。
一般的に金持ちはけちで貧乏人は始末する。けちは数を数えるとき折った指を開くのがもったいないから「六日知らず」という言い方さえ。
一方で貧乏人の始末は『尻餅』で正月用の餅がつけないからとおかみさんの尻を叩いて餅つきの音を聞かせるような見栄がおかしくて、落語が一席出来上がる。

『始末の極意』では、前フリでけちな男のご飯の食べ方がある。はじめはごま塩を振りかけて食べていたが、ごまがもったいないので塩だけでご飯を食べたり、梅干を朝は皮だけ、昼は実、夜は種と1日1個だけをおかずに食べたりする。
それに対して「梅干1日1個てな大名みたいな贅沢したらあかん。梅干は見るもんや。じーと見て、すっぱいやろなと思うと唾が出てくる。それをおかずに」と上には上がある。

鰻屋の話がいい。鰻屋の隣に住んでたころ鰻を焼く匂いだけでごはんを食べていたら、月末に鰻屋から匂い代として勘定書がきた。しょうがないから小銭の音を聞かせて「匂いの嗅ぎ代やから音だけでよかろう」と。

このあと噺は本題に入っていくのだが、最後のさげは当たり前すぎて、極意もなにもそのままや。
今日の投稿もオチがない。頭にも筋肉がついて固くなってしまったのかもしれない。
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by rurou-no | 2011-10-22 17:30 |

ニガウリは口にウマし

味覚というのは人によっては頑固で意固地なものである反面、ある種の人には新しいものに目移りさせる浮気性なものだ。また、年齢とともに変遷していくものでもある。
以前はどうしても食べられなかったのに、いつの間にか好物になっていたりすることもある。

たとえば、関東地方では朝食に必ず出てくる納豆は、18歳で東京へ出るまで食べたことがなかったから、どうしても食べられなかった。それが、仕事で水戸へ行った時に「水戸で納豆を食べないなんて」と宿の人に勧められておそるおそる食べてみると本当に美味しかった。

また、ニガウリ(ゴーヤ)は20代のころ沖縄へ旅した時、チャンプルで一番うまいのは?と食堂のおばちゃんに聞いたら「ゴーヤチャンプルさぁ」と勧めてくれたので食べてみたが、初めて口にしたゴーヤは苦いという印象しかなかった。それが今では大好物になっているのだからおもしろい。

「に」で煮詰まりそうだったが、おととい昼の弁当と夕食でゴーヤが出たので今日のタイトルを思いついた。ちなみにゴーヤは友人からいただいたもの。ありがたい、ありがたい。

どちらかというと小生の舌は環境順応型にできているらしく、外国で食べ物に困ったことがない。最長で3ヶ月帰国しなかったが、その間に日本食を食べたいなんて一度も思わなかったし食べなかった。現地の食事が美味いから、あれはどんな味やろ、これはどんな味やろ、と試しているうちに3ヶ月なんてあっという間だった。やっぱり土地の人と同じものを食べないと勿体ないではないか。
だから梅干とインスタント味噌汁をバッグに入れて、なんて話を聞くと不思議な気がする。

浮気を重ね、韓国料理やタイ料理の辛さも平気になったし、ウガリの美味しさも知っている。
おかげで味覚の幅が広がった。
ただ何でもOKというわけでなくハラワタ系と一部の発酵食系は苦手で、それらはわが家では鉄の胃袋を持つ連れ合いの担当ということになっている。
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by rurou-no | 2011-10-17 14:23 |

手伝っているだけやのに

ボランティアは行政にとっては歓迎せざる連中なのか、との思いがした出来事があった。
那智勝浦町のボランティアセンターでのこと。
朝受付を済ませたはいいが、何の案内もなく、いつものように現場に近いサテライトへ出発する気配さえないまま待たされた。30分以上経ってからセンターのスタッフが説明に現れた。
「行政の方から警備上の都合で今日はボランティアには井関へ入らないでほしい、との要請がありました」

結局約1時間後、「今日、できること」としてスタッフから提案された①センター近くの畑のごみ片付け②那智の浜のそうじ③新宮市熊野川町の応援、の3ヶ所に分散した。

いったい何事やと思っていたら、翌日の新聞の地方版に、参院災害対策特別委員会の委員16人が那智勝浦町を視察した、との記事が出ていたので察しがついた。
ようするにボランティアは、警備の都合で忌避すべき存在、と認識しているということだ。これは町レベルの判断でなく、上からの指示だろう。

百数十人の作業をまる1日止めてまで、議員の見学が優先されなければならなかったのか。平行してできることではなかったのか。
「警備上」って、汗まみれ泥まみれの作業中はだれも見学者なんて興味を示さないぞ。

一緒に仕事をした71歳になるという人が「この歳でボランティアさしてもらうなんて思わなんだよ。ありがたいことやで」と話していた。ボランティアの動機はみんなそれぞれあろうかと思うが、誰かの役に立ちたいという気持ちがからだを動かしていると強く感じる。

自己満足か?と自分に問いかけてみたが、決して満足感を得られるわけではない。疲労感とからだの痛みを持って帰るのが関の山。ただ、困っている人を見たらほっとけない性分やからしゃあない。それだけや。
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by rurou-no | 2011-10-08 16:39 | 地域

アンダンテ

雨の日以外は毎日歩くようになってから4ヵ月になった。
コースは45分、50分、55分、と3コースを設定しているが、夜歩いても不審に思われずなおかつ車の通行量が少ない道、となると選択肢は限られてくる。
通常歩くのは、「30分柱」と名付けたチェックポイントがある45分コースだ。

「アンダンテ」・・・歩くような速さで。
インドネシア語で「散歩」は「ジャランジャラン」とインドネシアで教わった。
ケニアではスワヒリ語の「ポレポレ」は「ゆっくり、のんびり歩く」という意味だと教わった。
歩くのが好きだから外国へ行ったときは、土地の言葉で何というのか、現地の人に聞いてから町を歩くのが習慣になっていた。

「歩くような速さで」と楽譜に指定があっても、歩く速さは人によってそれぞれ違う。また、同じ人でもその日の気分や体調で速さが変わってくる。そんな曖昧でいい加減とも思えるような指定の仕方がいい。

さて、45分コースも2ヶ月、3ヶ月と歩いているうちに43分、42分といつしかスピードアップしてきた。これは同じペースで歩いているつもりでも、自然と脚力がついてきた結果と考えられる。

そして昨夜はついに40分の壁を楽に超えて、38分を記録した。
もっとも早足の記録に挑戦しているわけでなく、日が暮れてから急に冷え込んだため寒くて、早くからだを温めたいと必然的に早足になったという単純な理由による。

歩きながら連れ合いに「冬になったら走らなあかんな」と話したら、「暖かい恰好するから」とあっさり返された。
それよりも彼女にとっては、首にかけた汗拭き用のタオルをいつから防寒のためのマフラーに替えるかが問題のようだ。ちなみに小生は禿頭の防寒が心配になってきている。歩くことだけでも、なんだかんだと悩みの種は尽きない。
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by rurou-no | 2011-10-05 13:32


一瞬を、永遠に
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