心頭を滅却すれば火も自ずから涼し
信長軍から焼き討ちにあった、甲斐・恵林寺の快川禅師の言葉として伝えられている。
今年の夏の暑さは、「異常気象」なんて一言で片付けられないほど度を超していた。
観測史上最高気温40.9度を記録したのは8月15日、岐阜県の多治見市と埼玉県の熊谷市。
気象庁の観測での数字だから、実際は42~3度くらいまで上がっていたのではないかと思う。
さて、お馴染みの陋屋に暮らす筆者は、いかにしてこの暑さを乗り切っているのか?
そこで冒頭の 「心頭を滅却すれば…」 だ。果たして快川禅師の教えは、この暑さに勝てたか。
もちろんこの言葉は、単純に暑さ寒さのことだけを指して言っているのではないのだが、暑い
寒いは心が決めるものであるとの教えは、なんとなく理解しているつもりだ。
屋根だけがあり壁のない作業場で仕事をして、充分に熱せられた体で帰り着いた我が家には
エアコンというものがない。家全体が温室のごとく暖められ風が吹かない(冬にはすき間風が
よく入るというのに)。温度計は38度を指している。夜になっても36度より下がらない。
連れ合いはエアコンがないことを嬉しそうに周りに言い触らしているそうだが、そのたびに相手
から返ってくるのが 「死ぬよ!」 という警告らしい。
冗談ではなかった。とうとう軽い熱中症で倒れる。気分が悪く吐き気がして足の痙攣もあった。
最終的には点滴をしてもらって事なきを得たが、今でも体調はおかしな具合だ。
「心頭を滅却すれば…」のおまじないは効き目なく、水を被っても涼しいのはその直後だけで
すぐに汗が流れる状態に。もともと汗をかかない方の体質だったが、今年はひと夏で50年分に
相当するくらい流れ出たのではないか。今日は処暑、久しぶりの雨で32度まで室温が下がった。
これからの残暑(惨暑)を生きてやり過ごせるのか、ブログが続いていれば無事だった証だ。