一所不住



ニライカナイ

わたしたち人類は地域や民族が違っても、それぞれの伝承の中に理想郷を持っている。

ケルト神話には伝説の島 アヴァロン があり、ギリシャ神話では エリュシオン、スペイン人
の探検家は黄金の国 エル・ドラード を目指した。チベットのラマ僧が口承で伝えてきたのが
シャンバラを首都とする アガルタ陶淵明桃源郷(シャングリ・ラ)を書き、トマス・モア
ユートピアマルコ・ポーロは黄金郷 ジパングを。他にも アルカディアアトランティス
そして宮沢賢治「注文の多い料理店」イーハトーブ を紹介していた。

琉球列島に伝わる、海の彼方にある ニライカナイ もそうした理想郷のひとつである。
「アマミキヨ伝説」をテーマにした創作ダンスの、取材で沖縄を訪れたときに ニライカナイ の
ことも教えていただいた。その時は沖縄というよりも、「琉球」への旅になっていた。

神が来訪する場所であり、祖先神を祀っている場所である御嶽、中でももっとも重要なところ
斎場御嶽(せーふぁーうたき)は、大きな岩が寄り添うような形になっていた。そこに立って気
を感じる。そして琉球神話でアマミキヨが降臨して国創りを始めたという、久高島を遠くに見る。

久高島は島全体が聖地となっていた。この島では、女性が神となる秘儀 イザイホーが12年
ごとにある。その儀式が初めて途絶えたばかりだった。今では ノロ(神女)となる女性もいなく
なってしまったそうだ。島の中央部に行くと森の中に、男子禁制の聖域 クボー御嶽への道が
あった。もちろんそこから先へ進めない。そのあとニライカナイから穀物が流れ着いたと云われ
ている伊敷浜へ。珊瑚が群生する美しい海へ潜ってみた。

遠くニライカナイへと続く海である。体を波の上に遊ばせてつかの間の午睡をする。一瞬見た
夢はなんだったのか、目覚めた瞬間、ギラギラと照りつける太陽がまともに目に入ったせいで
忘れてしまった。そのままニライカナイまで運んでくれることを期待していたが、現実は強い陽
射しに焼かれていただけだった。
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by rurou-no | 2007-06-28 15:23 |
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