一所不住



礼文島を歩く

20代の終わりごろだったと思う。北海道を1ヶ月かけて、オートバイでツーリングしたことが
あった。キャンプ道具一式を積み込んで、その日の気分でテントを張る場所を決めながらの
気ままな旅だった。

舞鶴港からフェリーに乗り、朝もやに霞む小樽へ着いた。北の大地への第一歩となった。
その時のメモ・記録ノートは、狭くて傾いているこの家へ結局一冊も運び込めなかった本と
一緒に、ダンボール箱の中に入り実家の納屋で積み上げられたままになっているはずだ。

端っこマニア、岬マニア(灯台マニアという言葉は、灯台を見るためだけにスコットランドまで
行った同級生の話を聞いてからは、おいそれとは使えない。)を自負していたその当時のこと
だから、東端の羅臼(知床)と北端の稚内(宗谷岬)へ行くことだけは最初から決めていた。

旅の情報は地元の人か、同じようにバイク・ツーリングをしている連中から仕入れるに限る。
礼文島のことは、後者のツーリング仲間から教えてもらった。ちょうど花が満開の時期である
こと。そして同類の端っこマニアだった彼は、最北端のスコトン岬からさらにその先に見える
トド島へ渡り、文字通り北の端っこまで行ってきたとのことだった。

観光の島としてのイメージがあったからパスするつもりだった礼文だったが、そんな話を聞い
てしまったからには行かずばなるまいと、勢いで船に乗り込んだ。ハプニングこそが旅の本質
である。バックパッカーよろしく一切合切を肩に担いで、礼文島の端から端まで歩いた。

高山植物が咲き乱れる丘陵地を北へ向かい、スコトン岬に辿りつく。あの時岬の突端に立ち
トド島を見たことは、身体がしっかりと記憶している。
周りの景色、風、陽の熱などが今でも忘れられない、若き日の刻印となって残っている。
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by rurou-no | 2007-04-03 13:17 |
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一瞬を、永遠に
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