ユーミンの歌に 「14番目の月」 というタイトルの曲があるそうだ。
次の日から欠けていく 満月よりも、一夜前の14日目の月の方が
好きだという歌らしい。
まだ、聴いたことはない。
これは実に 古来からの東洋的な身体感に即した考え方である。
舞踊や武道の世界では、身体を伸ばしきらず 余裕を持った姿勢が
いいとされる。動く時は 円を描くようにゆっくりと。
シンメトリーよりも 七三を良しとする美意識だ。
一方で、完璧に出来上がったものよりも、どこか崩れている方が
魅力的に見える場合が多い。
足りないからこそ、欲する。足りないからこそ、満たそうとする。
人間心理の微妙なところでもある。
月の話に戻ろう。
14番目は「待宵」 そして「十五夜」「十六夜」「立待月」「居待月」
「臥待月」「更待月」 下弦から新月が「朔」 3日目が「三日月」
昔は 月を見れば日にちが判った。
足りなさ過ぎると 満たすことをハナから諦め
月を数えて暮らすしかないのか。