近ごろ髪の毛は伸びない(というよりも、ない)くせに、髭と爪がやけに早く伸びると感じる。実際はそれだけ日が経っているのに、時間感覚が追い付いていないせいなのだが。これも老化現象のひとつか。あくまで退化でなく進化としたい。
前にこの欄で、人生を一字で示せば「恥」になると書いた覚えがある。その時点ではわからなかったことが、客観的に振り返ってみると恥ずかしいことばかりを繰り返してきたような気がするからだ。若気の至りっていうやつ。中年になってもやっていた。
そこで今回の表題、人生は愚か者なる自分を知るための時間だった、と気が付いた。
唐突にこんな展開になったのも深い意味はない。「ぐ」から「愚」の字が浮かび、愚図、愚劣、愚昧、愚案、愚者と言葉を連ね、十七文字に収めただけなので。
この1週間は、列島が台風18号に翻弄された。各地で暴風と豪雨が猛威をふるい、その爪痕を残した。当たり前のように川の氾濫や山崩れが生活圏を襲って、大量の雨に街全体が浸水している光景がテレビの画面へ映る。
この地は進路から離れていたとはいえ、突風が家を揺さぶり、風の音がやかましくて眠れない夜、停電で真っ暗となった。
気分を変えてプロ野球、16日にホークスが、18日はカープがリーグ優勝を決めた。
今シーズンはこれまでになくテレビ観戦をした(といってもホークスは数回だけ、カープは関西では中継がある対タイガース戦)し、優勝の瞬間を見られたので共に喜べた。
20日(現地19日午後)、メキシコでまたM7・1の大地震があったそうだ。都市圏直撃でビルの倒壊が凄まじい。少なくとも217人の死亡を確認したというから、その被災の衝撃と広がりは計り知れないものがある。なんとか1人でも多く助かって、と願う。
朝食時、連れ合いが「夏は今日までやて」、禿頭爺は「ほな明日から秋かいな、どっかに線引いてるのか」とあほな会話を交わす。確かに明後日は「秋分」。秋支度を始めないと。愚図愚図してると冬支度になってしまう。