「稽古は嘘をつかない」と、使い古された言葉を今更ながら口に出させてしまう主役の登場だった。大相撲秋場所で大阪出身の大関豪栄道が全勝優勝した。
カド番の常連であり、場所が始まって勝ち続けていても、そのうちに負けると誰もが思っていたに違いない。周りが期待していなかった分、プレッシャーを感じることなく最後まで集中できたのだろう。
稽古の激しさでは定評のある境川部屋である。日々の精進が実を結んだ。
長い間怪我に苦しみ、思うような相撲が取れない土俵が続いた。怪我が癒えてきた今場所は、やっと本来の力を発揮したといえよう。
大阪出身力士では、どちらかと言えば勢の方へ肩入れしていたが、今場所は体調が万全でなく7勝8敗と負け越した。豪ちゃんの次は翔ちゃんやで、がんばりや。
プロ野球パ・リーグは28日、ファイターズが最大11.5ゲーム差をひっくり返して、劇的な優勝をした。選手を第一に考える栗山監督の采配の妙、さらに投打両刀で大活躍した「練習の虫」大谷選手、様々な要因がうまく絡み合って結果を残した。
セ・リーグ優勝のカープと同様、スカウティングを重視し自前の選手を育てたチームの躍進は喜ばしい。残念ながら一時は独走状態にあったホークスには、恵まれた環境による慢心があったかもしれない。
スポーツニュースにうつつを抜かしている間、国会で異様な出来事が起こっていた。
26日、首相が所信表明演説中に「自衛隊員らに敬意を示そう」と促し、自民党議員のほぼ全員が立ち上がって拍手をした。みんなよく見知っている光景やね。
とうとうここまできたか、と暗澹たる思いである。禿頭爺がここで繰り返し戒めてきたとおり、中国や北朝鮮と同じになってしまった。
そのうち、子どもらに「兵隊さんのおかげです」と唱えさせるようになるんや。
前から言っているように、今の政権はこの国のかたちを中国や北朝鮮の体制へ変えようとしているから、絶対に阻止しなければならないのだ。自らの権力を守らんがため、平気で自国民を見殺しにする支配者を決して認めるわけにはいかない。