今日は大寒。前々回、年末年始の陽気に、老人には助かるが寒くないと困る人もいる、なんて書いたら次の日から気温が下がり始め、とうとう冬が到来した。
とりわけここ数日の暴風は台風並みの猛威で、入浴中に停電して慌てるなんてこともあった。ニュースでは列島各地の猛吹雪の様子が伝えられている。
まずは訃報から、【落語界の大御所の一人で、戦後衰退していた上方落語を復興させた「四天王」の最後の一人だった三代目桂春団治(かつら・はるだんじ、本名河合一〈かわい・はじめ〉)さんが9日午前0時11分、心不全のため大阪市内の病院で死去した。85歳だった。(中略)マクラを振らずに噺に入る独特の高座ぶりで知られた。「代書屋」「野崎詣り」「いかけ屋」などの滑稽噺が十八番。高い完成度を築きあげ、絶妙な間を生かして爆笑を巻き起こした。繊細なしぐさで、真後ろにストンと落す羽織の鮮やかな脱ぎ方でもファンを魅了した。】(15日付朝日)
4人の大師匠の中で最初に好きになったのが三代目だった。噺はいたって几帳面であり、間で笑わす名人芸は追随を許さなかった。所作も美しく、品のある高座は忘れない。
今週の出来事。近隣国で似たような事件があった時は対岸の火事を決め込んでいたが、やっぱりこの国でもやっていたかと呆れた廃棄食品の横流し。端緒のカレーチェーン店の冷凍カツに止まらず、流通やコンビニの廃棄食品転売も明らかになった。
そういえば賞味期限切れ食品の使い回しや、産地偽装ってのもあったな。
儲かれば何をやってもいいという、モラル崩壊が常態化してきている現実は否定できまい。
15日未明、長野県軽井沢町で起こったスキーツアーバスの事故にも同じ構造が見えてくる。安全を度外視した算盤勘定は現場の運転手に負担が集中し、15人の命が犠牲になった。
行き過ぎた経済至上主義は、不正すらも当たり前のように取込んでしまう。震災復旧工事の入札談合など、摘発された件は氷山の一角だ。住民の意向や街の将来設計を無視した大型公共工事は、復興に名を借りた土建屋を儲けさす工事のための工事でしかない。
沖縄の辺野古で強行されている米軍基地工事も不正がまかり通って、しかも容認される。
国を牛耳る知性なき集団が公然とルール違反を犯し、都合のいい解釈や問題のすり替えをして恥じない。失敗した経済政策では、大企業ばかり優遇するのをトリクルダウン理論で正当化するが、実際は甘い蜜は富者が吸い上げてしまう。落ちてくるのはゴミばかりで、貧者は安くなった廃棄食品を食べるしかなく、危険な格安ツアーを利用するはめになる(このたびの事故では未来ある若者が犠牲者に)。そんな実態から目を背ける政府の姿勢は醜悪で、反吐が出てムカツキが止らない。力なき者よあわれ。