「外来語」という言い方は今でもあるのかどうか、外国の言葉がカタカナの日本語として定着する過程において、その言葉が大安売りされ、本来の意味から離れてしまうことがままある。
「レジェンド」も日本語になってきたあたりから、レジェンドの値打ちが下がってきたように思う。
言葉の安売りは慎まないと、賛辞が賛辞でなくなりかねないから注意していただきたい。
26日千秋楽を迎えた大相撲7月場所を最後に、角界のレジェンド2人が現役を引退する。
最年長37歳で幕内優勝した旭天鵬(40)と、関脇在位17場所を誇る若の里(39)である。
92年3月場所に初土俵を踏んだ同期として23年もの間、第一線で活躍した2人は好角家の記憶の中で長く語り伝えられるだろう。若の里は地元青森巡業が引退の花道となるそうだ。
24日付の新聞でその死を知らされた、哲学者で評論家の鶴見俊輔さんも「レジェンド」と称えられるべき人だった。市民運動の現場で、ある時は全面に立ち、ある時は後ろに控え、またある時は下から支え、とさまざまな局面において力となってくれた。「ツルシュンがついてくれている」という思いが、どれだけ励みになったことか。リベラル思想の巨星だった。享年93歳。
盛り上がりを見せる若い人たちのデモに、鶴見俊輔のDNAがしっかり受け継がれていると感じる。また、その系譜の継承者たる「京大有志の会」が声明書を発表した。長くなるが引用する。
戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。
自由と平和のための京大有志の会