<原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない。>
原発事故以来、営業ができなくなっている二本松市のゴルフ場が、東京電力に汚染の除去を求めて、東京地裁へ仮処分を申し立てたことに対する東電の主張である。
こういうのを「牽強付会」という。
道理に合わなくても自分の都合のいいように強引に理屈をこじつける。
10月31日、東京地裁は東電に除染を求めたゴルフ場の訴えを退けた。
驚くなかれ、裁判所は東電の無茶苦茶な主張を認めたのだ。
この国は、こんな無責任が正当性をもってまかり通るようになっているのか。
サンデルさんに「正義」とは何ぞや?と聞いてみたくなった。
このままでは、まともな議論は成り立たないぞ。
東電っていったい何様なんや。どう考えても、裁判所の判断は理解できない。
放射能という毒物を撒き散らかしても責任を問われないなんて、何でもやった者勝ち、やりたい放題やてか。
確かにいつの間にか「原子力マフィア」が復活してきた。政府は事故を小さく見せようと、国民を騙し続けているし、政財官よってたかって東電を守り原発を推進しようと躍起になっている。一方で被害者救済は先送りされて、なかなか進まない。
放射能汚染の実態も、本当のことは知らされないままだ。
小生は「除染」にも懐疑的である。最終処分場すら決まっていない段階で、洗い流したり表土を剥ぎ取ったりしてどうするつもりなのか。1兆円以上の予算が注ぎ込まれるという。
できれば莫大な税金は、子どもたち(これから子どもを産み育てる若者も含めて)を守るため避難を促し、新しい土地での生活再建を助ける費用に回してもらいたいと願う。