新明解さんで「瀬」を調べると、①水が浅く、歩いて渡れる所。浅瀬。⇔ふち ②流れが急で、なかなか渡れない所。〔なんとかその事が出来る場合にたとえられる。逢うー・浮かぶー〕(後略) となっていた。
①と②では違う場所を指している。どちらも「瀬」で、ようするに流れがあるところか。
この時期になると、その言葉を使う人の懐具合で「年の瀬」の意味が①だったり②だったりしてくるのは、笑えない現実である。
①ボーナスが出て懐中もほっかほっか。クリスマスはどうしよう、年末年始の休みはどこへ出かけよう、なんて暖房が効いた部屋の中でお気楽に過ごせる人がいれば、②年末の支払いに追われ、年越しの米代にも事欠く人がいる。冷え切った体を暖かくする術すら奪われた人もいる。
先日、連れ合いに何気なく「生活費は大丈夫?」と聞いたら、いつもならすぐに「まだ大丈夫よ」と返ってくるのに、その日は黙って俯いてしまった。うすうす感じていたが、わが家の家計は限りなく②に近い状態になっているようだ。
働きの悪いろくでなし野郎がいるから、当たり前といえば当たり前なのだが。
潮岬へ引っ越して3ヶ月、年を越せるかどうかの正念場である。
菅首相は「1に雇用、2に雇用」なんて大見得を切ったが、仕事がない状態は変わらない。あったとしても期間限定や生活できないほど安い賃金など、雇う側に有利な条件ばかり。
さて、無事に正月が迎えられるのか。スリリングな1週間となりそうだ。
話の続きは、「いよいよダンボールハウスとブルーシート生活やなぁ」「橋の下は風が抜けて寒いよ」「海のそばだったら飛ばされるかもしれん」「公園も寒いやろな」「近くにいいキャンプ場があるやないか」というわけで、次の引っ越し先は望楼の芝キャンプ場になる公算が大。
この期に及んで他人事みたいな能天気ぶりは、かなり重症かも知れぬ。