昨日、米軍普天間飛行場を名護市の辺野古へ移設することを明記した日米共同声明が発表され、これを政府方針とする閣議決定への署名を拒否した社民党の福島さんが、大臣を罷免された。
これで社民党が連立政権を離脱する可能性が高くなった。
現在の民主党、社民党、国民新党による連立政権は、有権者が初めて投票によって首相は自民党からではなく民主党から、と政権交代を選択した画期的な内閣だった。大きな期待を担ってスタートしたはずだったが、蓋を開けたら自民時代と変わらないおぼっちゃま総理の下で迷走を繰り返し支持率は急降下、とうとうにっちもさっちも行かなくなってしまった。
そもそも連立を組む段階で基本政策について曖昧な同意しかしていなかったため、今回の事態は遅かれ早かれ起こりうると予想できた。皮肉なのは同じく昨日、衆議院総務委員会で郵政改革法案が強行採決されたこと。民営化に反対する国民新党の言い分が通ってしまった。一方で社民党が主張する米軍基地の沖縄からの撤退は袖にされた。前者は参院選での郵政票目当てで、後者はアメリカの圧力の結果である。
今さら日米同盟とか抑止力などの言い訳は何の説得力もない。そんなこたぁ誰でも分かっている。問題は狭い沖縄に米軍基地が居座り続け(思いやり予算という経費負担まで強いられて)、市民生活に制限が加えられ常に危険に晒されている異常な状態を良しとするかどうかなのだ。自民政権はアメリカの言いなりになって屈辱的なまでにやりたい放題されていた。民主政権になった今こそ対等な話し合いを始めることが出来たのにと残念でならない。
結局、おぼっちゃまは何の方針も示せず何も決められなかった、という印象しか残らなかった。
最後には強きに屈し、弱きを切り捨てる特権階級の冷酷な姿が浮き彫りになった。
政治は魑魅魍魎の世界で一筋縄ではいかないのは理解しているつもりだ。だからこそ、こういうときこそあらゆる策を弄して、事に当たってほしかった。
いつになったら一人歩き出来るようになるのやろか、先が思いやられる。