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一所不住



絶望と希望は被膜うらおもて

心理面、身体面など不調なため、しばらくここを休もうと思っていたけど、たまに顔を出す程度ならええやろ、ということで久しぶりに開いてみた。何かを書くつもりも特にないので、新聞の引用から。

《訃報欄より》10日付ー【海外紀行番組の草分けとなった「兼高かおる世界の旅」で知られる旅行ジャーナリストの兼高かおる(かねたか・かおる、本名兼高ローズ)さんが5日、心不全で死去した。90歳だった。=中略=日本で海外渡航が自由化されたのは64年。海外旅行が珍しかった時代に、外国の文化や生活を現地取材の映像で広く紹介したのが人気を博し、90年まで31年続く長寿番組に。1586回の放送で150ヵ国超を訪れ、地球180周分の旅をした。南極、北極の両極点も訪れたほか、米ケネディ大統領やスペインの画家ダリら著名人も取材した。】

15日付ー【独自の理論で日本古代史に大胆な仮説を展開した哲学者で、国際日本文化研究センター(日文研、京都市左京区)の初代所長を務めた梅原猛(うめはら・たけし)さんが12日、肺炎のため京都市内の自宅で死去した93歳だった。=中略=60年代から日本文化研究に傾倒し、72年に奈良・法隆寺は聖徳太子の怨霊を鎮めるために建てられたとする「隠された十字架ー法隆寺論」を出すと、73年には万葉歌人の柿本人麻呂は流刑死したとする「水底の歌ー柿本人麿論」を刊行。通説を覆す独創的な論は「梅原古代学」と呼ばれ、大きな反響を呼んだ。】

25日付ー【ジョナス・メカスさん(米国の映像作家、詩人)AP通信によると、23日、米ニューヨークの自宅で死去、96歳。リトアニア生まれ。第2次世界大戦中は、ナチスの強制収容所に入れられ、戦後はニューヨークに移住した。実験的な作風で知られ、日常をカメラで切り取った「日記映画」を確立した。主な作品に「ウォールデン」「リトアニアへの旅の追憶」。詩人としても知られ、吉増剛造らと交流した。】

30日付ー【「桃尻娘」で衝撃の作家デビューを果たし、「リア家の人々」「草薙の剣」をはじめとする小説で戦後の庶民の実相をすくい取るなど、幅広く多彩な作品を発表してきた作家の橋本治(はしもと・おさむ)さんが29日、肺炎のため死去した70歳だった。東大在学中の68年、駒場祭のポスター「とめてくれるな おっかさん 背中のいちょうが泣いている」で注目される。=略=斬新な古典の現代語訳でも注目を浴びた。=略=エッセーや評論も膨大に残した。=略=独特のシニカルな視点で現代を見つめる作家だった。】

今月読んだ本の中では、内田洋子『モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語』ー本の創成期、イタリア・トスカーナの山深き村から本の行商に出た村人たちの足跡ーと、川内有緒『空をゆく巨人』ー無名の現代美術家と福島県いわき市の会社経営者の奇跡的な出会いがスーパースターを生み出すまでの軌跡ーが出色だった。

大相撲初場所は関脇玉鷲が初優勝し、横綱稀勢の里が現役を引退した。

26日、テニスの全豪オープン女子シングルス決勝で、大坂なおみ選手がチェコのペトラ・クビトバ選手を7‐6、5‐7、6‐4で下して優勝した。全米に続いて4大大会2連覇を21歳で達成した。同時に世界ランキング1位が確定した。
強盗被害で利き手に重傷を負い、選手生命の危機から大手術の末に見事復活したクビトバ選手へ肩入れしたい気持ちも多少あったが、やはりずっと注目していた大坂選手を応援した。試合は一進一退の息詰まる熱戦で、テレビで見ていても胃が痛くなってきそうだった。

# by rurou-no | 2019-01-31 09:50

礼節と品位忘れし隙間風

無為な日々であっても時間は徒に過ぎていくもの。
老爺には酷だ。何事も成さないまま(生きている限り何かを成しているはずだが)1年を振り返って、身体的な退化を実感するのみ、という現実を突きつけられる。

大して変わらぬ日常を淡々と繰り返す。こんなんではあかんなぁ、と漫然と考えているだけで、現状に甘えていては駄目であると自覚はするものの、さて、いったい何をしたいのか、今更何かをしようという気になれない。やっぱりあかんやないか。

若いころ無茶をしていたので、還暦まで生きていられるとは思っていなかった。
もし生き永らえたとしたら「人里離れた小さな庵でひとり静かに細々と生を繋ぐ」のが精々かもと、ぼんやり空想するのが関の山だった。これも若気の至りの一つやろ。

小路幸也『モーニング』と『スローバラード』を続けて読んでいて、いろいろ考えてしまった。少なくとも自分は分別ある大人にはなれなかった。
人間として出来の悪い老人ではあるけど、老母より先に死ねない、くらいは分別しているつもりだ。そのあとは、連れ合いと互いに老老介護一直線やな。

今日の新聞に載っていた、鷲田清一さんの「折々のことば」《持てる力を、他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。/トゥルゲーネフ/青春の特権は、「なんでもできる」ではなく「なんでもできると思える」ところにあると、19世紀ロシアの作家は言う。何をしたって同じと感じる現代の若者にはやや酷かも。一方、すぐにこの世から失せる身、できないことは何もないと、怖じ気なく思えるのが老いだとすれば、それも捨てたものでない。小説『初恋』(沼野恭子訳)から》

今回の表題は、自分の中で大事にしている言葉が「死語」となってしまいそうな社会の風潮について、失くしてほしくないなぁと、ふと思っただけ。

# by rurou-no | 2018-12-20 10:27

知らぬまま棄たれ殺さる民あはれ

今週はずっと暑かった。12月だというのに「夏日」を記録するほどで、こんなんでええのかいな、と複雑な心境である。「冷え込む」という予報が出ている週末が怖ろしい。
暖冬は暖房費が節約できるから、貧乏人には有難いのだが、やはり四季がはっきりしていてこそ、豊かな自然環境が育まれるというもの。冬の寒さがあっての、という物や事には有難くない温暖化現象だろ

近ごろ特に感ずるのは、メディアの体たらくである。
かの米国では、あの大統領が発する「フェイクニュース」の一言で、嘘と実が反転してしまうのが日常となってしまったが、どちらが真実が分かりやすい。
ところが、この国では嘘や誤魔化しが検証もされずそのまま報道されるので、本当のことが見えなくなっている。権力の横暴を監視するはずのメディアは、権力の前に腰が引けて、あまつさえその代弁者に成り下がってしまった。

政府は辺野古米軍基地建設へ向けて、14日にも辺野古の海へ土砂を投入するという。
沖縄の民意を踏みにじり、問答無用の力づくで工事を急ぐのは、何を意味するのか。
戦争末期に本土の防波堤とされ、戦後は捨てられた73年前と何も変わっていない。こんな理不尽を許してはならない。

自国の民を大事にしない、弱者を痛めつけ強者におもねる政府の姿勢は、ある意味一貫している。沖縄の問題は本土の私たちの問題でもあるのだ。
原発事故によって土地を奪われ住居も仕事も奪われた、福島の避難者はまだ4万人もいるというのに、事故はなかったかのごとく原発を再稼働し、破綻したはずの高速増殖炉「もんじゅ」の後継炉の計画さえ発表した。

首脳会談で「一致した」とは、トランプの言いなりになるとの表明である。貿易の関税しかり、軍事兵器や戦闘機をどれだけ言い値で買わされるのか。
プーチンとも「一致」して、北方領土問題を後退させた。向こうの思うつぼだ。
何しろ外交ができないから、国益を安売りして何かした気になっているうつけである。

衆議院の「衆議」とは、多人数で意見を出し合って議論、相談すること。
行政側は法案の元になるデータが間違いだらけだし、質問にはまともに答えず問題をはぐらかしてばかり、立法側はスケジュール通りに強行採決するしか能がない。自公維の議員は仕事を放棄している。これほど形骸化した国会は、国民を愚弄するものである。馬鹿にされている民は、もっと怒らなければいけないのに。

洗脳され、国のために死ぬことが美徳とされた戦前への回帰が、じわじわと進行している。メディアに騙されるな。

# by rurou-no | 2018-12-06 10:30

地も天も揺れて回りて千鳥足

19日朝5時ごろ、からだが大きく揺れるのに驚いて目が覚めた。すわっ、地震や!と目を開けると薄暗い部屋がぐるぐる回り出した。どないなってんねん、と思わず「わ、わっ」と声が出て、体を起こそうとしたがぐるぐるは収まらず、四つん這いの姿勢のまま気持ちを落ち着かせた。

自分の身に何が起こったのかわからないまま、しばらくやり過ごしていると、揺れも目が回るのも徐々になくなり、いつもの朝になった。
連れ合いに地震がなかったかと尋ねても、なかったとの返事で、あれは自分のからだの中だけの出来事だったと理解した。

その日はずっと頭が重い感覚が抜けなかった。そして、夜になって寝ようとしたらまた、ゆらゆらぐるぐるが襲ってきた。収まるのを待ち横になろうとしたらまたやってくる。こんなことを繰り返していてもあかんと、座椅子にもたれて目をつぶる。
心配なので連れ合いには、傍に布団を敷いて寝てもらうことにする。

うつらうつらしながら考えを巡らした。前に突発性難聴になったときにも眩暈を経験したが、これほどまでひどくはなかった。
その時、眩暈はからだの平衡を司る耳石器から耳石が剥がれて三半規管に迷い込むことで起こる、と知った。まず、それを疑った。それなら時間が治療してくれる。

ただ、今回は血圧の急上昇を伴っていたので、血管の詰まりや破れの前兆によるものだと事態は深刻になる。手足のしびれや嘔吐などなく、指先の動きや視界も良好で、自己診断では血圧が高いのを除けば問題なかったが、悪い方を想定すると90歳の老母の世話を残して、ここで倒れるわけにはいかない。負担が倍増する連れ合いまで倒れるのは目に見えている、と不安が頭をもたげる。

まんじりともせずに朝を待って、かかりつけの医院へ飛び込んだ。
果して「耳石が・・・」という診断が下され、ひと安心。『良性発作性頭位めまい症』というのだそうだ。10日目にして、耳石は元の位置へ戻ったような気がする。

この10日間は、横になるのも起き上がるのも恐る恐るゆっくりと動き、眩暈が収まるのをまって次の行動に移っていた。一度夜中にトイレへ行こうと立ち上ったとたん、酔っ払いの千鳥足よろしく足元がおぼつかなくて、隣の布団で寝ている連れ合いの上へ倒れ込んだことがあった。それが表題。

今月上旬からの体調不良は、季節の変わり目だからと高をくくっていた顛末である。耳石が逃げ出したストレスの原因にも心当りがあるから、もう大丈夫やろ。

# by rurou-no | 2018-11-28 10:22

一滴も涸れそうになり悪意満ち

「一滴の水が山から流れると、小川を作りやがて大河となって、世の中を潤す」
「曹源一滴水」の教えが、座右としていつも頭の中にあった。
自分のしたことが、巡り巡って誰かのためになっている。誰にでもその役割と存在価値がある。自らへの戒めとし、また励ましともなってきた、一滴の水。

その一滴が、悪意ある言葉の攻撃が大手を振る時代の風潮の前で、涸れてしまいそうだ。「意気消沈」の四字熟語が目の前を覆う。
体調と気持ちが下降の一途をたどっている。こんなところへ雑文を書いている場合やない。

とりあえずちょっとだけ明るい気分になれたのは、プロ野球日本シリーズのソフトバンクホークス対広島カープの対戦。両チームとも応援していたから、どちらが勝ってもいいと思いながらテレビ観戦した。
毎試合接戦で、手に汗握る好試合の見本のような面白いゲームだった。
結果はホークスの4勝1敗1分になったが、ほんの少しの差であった。

前々回、島の木々が塩害にやられて枯れていることに触れたが、このところヤマザクラがそこかしこで白い花を咲かせている。季節を先取りしているのか、早すぎる開花は、それぞれ法則に従ってやっていることと受け止めよう。

いろいろ書きたいと思っていたけど、頭が痛くて考えられない。今日はここらへんで。

# by rurou-no | 2018-11-08 10:21


一瞬を、永遠に

by rurou-no
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